私の顔面偏差値は65である


19:45にワガママ女から「今日なにしてる?BさんとCさんと十番で飲んでるから、2次会で会えたら是非」というLINEが来ていました。

このLINEに私が気づいたのは20:33。2次会開始予定時刻を訊ねると「22時過ぎ」との返信。自宅は目前であったため、それなら結構また次回と断ると、「1時間くらい待ちなさい」と命令形。僕、一応、家庭がある身なんだけど。
結局、別派閥のシイタケ嫌いならびに山田からタイミング良くお誘いを受けたので、今夜は彼らと共に過ごすことに決定。マナーとしてワガママ女に「おにまるにいるから」とメッセージは残しておく。

「Aさん(私の名)、最近、上戸彩似の女と仲良くしているでしょう?」とシイタケ嫌い。なぜそれを知っている、と身を乗り出すと、「彼女の親友と僕がたまたまSNSで繋がってて、身元照会がありましたよ。『タケマシュランとかいう奴はまともな人間か?』って。すげえやべえクソ人間だと答えておきましたけど」何この通報システム。王の目王の耳ここにあり。
なんで二郎誘ってくれないんですか」そう、山田は慶應の体育会出身なので、二郎に対する愛情はマリアナ海溝よりも深い。あー、鍋二郎やりたいなー。1,500円テイクアウトして家でツマミながら人狼やりたいな。
騒がしい声が響き店の入口を振り向くと、「あー!!いたーー!!」とワガママ女。いたー、じゃなくて、そもそもキミの差し金ではないか。

「時間あるならもっと早く言って下さいよ!」とB。へ?おれ、20:33の時点でヒマしてるってワガママ女に伝えていたけど?と返すと「あれ?ついさっきの店の中で『Aさんがおにまるで飲んでて来て欲しいだって』って聞いたから、慌ててお会計して出てきたんですが」と話が一向に噛み合わない。全てワガママ女の筋書き通りってわけか。
「まあ、いいじゃん。ところでさ、今度みんなであたしの実家に来ない?ワインセラーが壊れちゃって、暖かくなってワインが傷む前に飲みきらないと。テニスコートもあるから、みんなでテニスしよ!」それは魅力的な提案。しかし彼女の実家は都内の一等地。そんなところにテニスコートなんてあったっけ?

「だから、家にテニスコートがあるの」底知れぬ女である。ワガママに育つのも無理はない。
「初めまして」と物腰の柔らかい青年C。聞くと、Bの元同僚で現在は経営者。十番にオフィスがあるため、今日この場にひっぱって来られたとのこと。「仕事が好きなんです。趣味は仕事です」と言い切る姿勢の良さに憧れる。
私とBはワイン仲間。次回の会合の打ち合わせをしていると、「何であたしを誘ってくれないわけ?」と割って入るワガママ女。

キミが来ると場が乱れるからだ、と直裁に述べると、「あたしのどこが場を乱すっていうのよ!」と食ってかかる。だからそういう態度が場を乱すって言ってるんだ。いいか、その空っぽの頭で良く考えてみろ。僕のワイン仲間はゆるふわ系ばかりで、キミみたいに自己主張が激しい人間はひとりもいないんだ。

「あたしもゆるふわ系だもん!だってFカップだし!」そっちのゆるふわ系じゃない。話の出口が見えず思わず頭を抱えてしまう。
「テイク2撮り直しましょうか?」とシイタケ嫌いが助け舟。姿勢を正し、改めて彼女に言う。いいか、その空っぽの頭で良く考えてみろ。なぜ僕がキミを誘わないか。キミが誘われない理由は全てキミの中にあるんだ。
「あたし慶應だし、頭空っぽじゃないし」もうダメだ。話が一向に進まない。さすがの私も堪忍袋の緒が切れ、大声を張り上げてしまいました。てめえふざけんじゃねえぞ、いくら美人だからって何でも許されると思うなよ!
皆も私に続き、一気呵成に攻め立てます。「ほんと顔で得してるよね」「顔と頭と胸だけだよね」「顔とスタイルが抜群で、性格まで良いからマジでむかつく」「Aさんこいつのこと甘やかしすぎですよ、いくら顔が可愛いからって」と口々に彼女を罵る。しかし不思議と上機嫌なワガママ女。
「結局さ、自分の顔面偏差値はどれぐらいだと思ってるわけ?」とシイタケ嫌いが問う。「うーん、そんなに美人って思ってないよ。偏差値だと65ぐらいかな。」なんだそのisn't it感。私の中で顔面偏差値65と言えば長澤まさみ級であり、すれ違うだけで恋に落ちてしまうレベル。しかしその旨を伝えるとまるで告白しているかのようなので、今夜は口を閉ざしておく。
0時を超えたのでお会計。堂々と彼女にワリカン請求すると、「えー、なんでごちそうしてくれないわけ?」と我々を自家薬籠中の物扱い。僕らとキミは対等の友人関係にあるのに、どうして僕らがキミの分を払わないといけないんだい?と冷静に問うてみる。

「えー、だって、ふたりで遊びに行く時はいつもごちそうしてくれんじゃん」と流し目を送る彼女。コラみんなの前でバラすな。秋の鹿は笛に寄る。ほらごらん、皆の冷ややかな視線が僕に集まって来たよ。


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  • 2017年1月 ←3人なのにすげえ食べた
  • 2016年11月 ←タケマシュランお誕生日パーティ
  • 2016年11月 ←東京カレンダーへの報復
  • 2016年10月 ←低脳未熟大学の陸の王者たち
  • 2016年10月 ←予約必須の水炊き
  • 2016年10月 ←ハゲマシュラン
  • 2016年10月 ←シイタケ嫌い生誕祭。
  • 2016年9月 ←壁にマッキーで「魑魅魍魎」と書く酔っ払い。
  • 2016年8月 ←斬新な味わいで、イタリアの未開の村の郷土料理を食べているかのよう。
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  • 2016年4月 ←営業日数25のうち8はご来店。
  • 2016年4月 ←からの朝までカラオケ。
  • 2016年3月 ←精彩を欠いている山田さん。
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