檍(あおき)/大門

私はトンカツという料理をあまり好まないのですが、トンカツ業界の聖地・大阪八尾の「とんかつマンジェ」で食べて以来、見方が変わりました。私の人生は「とんかつマンジェ以前」と「とんかつマンジェ以降」に分かれます。
さて影響の受け易い私。自宅から徒歩20数分のところに「檍(あおき)」という名店があることを知り、 「とんかつマンジェ」の数日後にお邪魔することにしました。

元々は蒲田にある待ち時間1時間は当たり前の超人気トンカツ店。その「檍(あおき)」が2016年に大門の地に新店をオープンしたのです。2018年には銀座にも出店したようです。
開店時間の17時と同時に入店。私を含め3名の男性がソロ活動中です。トンカツ屋としては珍しく座敷もあり、後から来たリーマンがビール片手に宴会を始めました。
さて、あまり脂っこい肉は苦手な私。「特上ひれかつ定食」に一度は決めたものの、「リブロースかつ定食(380g)」という扇情的な見出しに惹かれ、土壇場チェンジです。
注文後はひたすら待つ。後の写真でご覧いただけますが、最厚部であれば3センチは超える豚肉であるため調理に時間がかかります。揚がった後も数分は放置し余熱を入れていくのが待ち遠しい。お漬物は既製品の沢庵であり街の定食屋のそれと大差ありません。
17:00に入店し、17:25にようやく着丼。ラーメン屋などの行列とは異なり回転が恐ろしく悪いので、行列の長さ以上に待つお店です。時間に余裕の無い方はお気をつけて。
さて、リブロースかつ先輩は380グラムと肥満体。小さなラグビーボールのようなサイズに思わずたじろぐ。

ちなみに当店の豚肉は「林S.P.F.豚」を用いています。「抗生物質を限りなく抑え、穀物だけの飼料を与えて育つため、その肉の柔らかさ・脂の甘さ・軽さ・美味しさが優れている」とのこと。
徹底的な衛生管理のもと無菌状態の母豚のお腹で育つためか、レアでもおなかは痛くなりませんでした。が、とにかく脂が多いですね。2切れ程で胸元に込み上げるものがあり、そこからは脂身をバラして食べるという暴挙に出ざるを得ません。
とにかくボリュームが大きいので、1切れごとに飽きが来ます。食べる歓びがない。数種類の塩やソースで味変しながら無理矢理に胃袋に押し込んで行く。
なるほど脂身が無い部分については水分が絶妙に保たれており、シットリとした舌触りが実に美味しい。しかしながら脂身が体感では5分の2ほどあるので、あまり全力で向き合うことができませんでした。
味噌汁(豚汁?)には豚肉がゴロゴロと入っており食べ応え抜群。並のポークカレーよりも豚肉の量が多い様は一見の価値あり。味はまあ中くらいです。
ライスもごく普通。沢庵と同じく街の定食屋のそれと大差ありません。これら脇役陣のレベルを鑑みると、「とんかつマンジェ」の実力はトンカツ業界において神の領域と評価せざるを得ない。

注文したメニューが良くなかったのか、ただただ量が多いだけのトンカツで、特段好きにはなりませんでした。これで2,800円というのは割高です。ただしロースかつランチ定食1,200円や特上ひれかつ定食2,000円などを注文すれば、また違う印象なのかもしれません。印象としては秋葉原の丸五と変わらず。これなら家からすぐの「とんかつ都」に行っちゃうなあ。


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