店頭の記帳台に名前と人数を書いてしばし待ちます。総席数は40席ぐらいでしょうか。カウンター席やテーブル席に加え、畳敷きの小上がりが用意されており、小さな子ども連れや家族利用でもOK。卓上のタブレットから注文し、支払はセルフレジとハイテクです。
我々は不動の看板商品である「かつらそばセット」と「かしわざる」を注文。それぞれ1,300円で、大盛がプラス100円、ネギ増しが20円です。20円と侮るなかれ、とんでもない量のネギがのってくるので、ネギ好きには堪らないサービスです。
「かつらそばセット」とは「肉そば」と「小柱かき揚げ丼」のセット。冷たいスープは濃厚な出汁が出る国産親鶏を用いているそうで、見た目はシンプルで清澄ながら口に含むと鶏の旨味が爆発。親鶏本来の野趣ある旨味を上品に際立たせる設計は、京懐石の吸い物に通じる端正な構造美を保持しています。
セットの「小柱かき揚げ丼」。寒河江ではゲソ天が一般的な中、差別化として出したところ好評を博したそうです。小柱と三つ葉を用い、衣の水分をバっと飛ばして外側を軽快なサクサク感に揚げつつ、内部の小柱はレアに近いふっくらとした甘みを残しています。親鶏の滋味深いスープとの相乗効果が圧倒的である。
麺は山形県産「でわかおり」をはじめとする複数の玄蕎麦をブレンドしているそうで、冷水で硬めに締め上げられており、しっかりとした噛み応えと噛むほどに広がる蕎麦本来の穀物香を放っています。
「かしわざる」は冷水でキリッと締めたコシの強い田舎蕎麦を、具だくさんで熱々のつけ汁にくぐらせて味わう一杯。最大の魅力は鶏肉ときのこの旨味が贅沢に溶け込んだつけ汁であり、鶏の上質な脂のコクと、香ばしく焼き目をつけたネギの甘みが調和し、重厚でありながら後味のキレが良い上品な仕上がりです。
「かしわざる」には天ぷらも付きます。それにしても、1,420円(デフォ1,300円+大盛100円+ネギ20円)でとんでもない量です。普通の食欲の方は並盛で充分でしょう。
美味しかった。鶏の力こそパワーな味覚に加え、ワッシワッシと噛み応えのある蕎麦、そして圧倒的なボリューム感。東京の2~3枚注文することが前提のヘナヘナな蕎麦とは気合の入り方が違う。山形県出身のかつての同僚が「蕎麦は地元でしか食べない」と言い切っていた理由が良く分かったランチでした。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。








