天府舫 (テンフファン)/新宿

新宿と大久保の中間、小滝橋通りから少し脇に入ったところにある「天府舫 (テンフファン)」。日本人向けにアレンジされた四川風ではなく、ガチの四川料理を出すお店であり、数々のメディアに取り上げられています。ちなみに店名の「天府」とは四川を意味する古い言葉だそうです。
席数は結構多く、30以上はあるでしょうか。店内中央のテーブルはくっつけることができ、この夜は近場の会社員が結構な人数で宴会を楽しんでいます。やはり飲み放題をつけて4~5千円に収まるというのは幹事にとってベリーナイスなのでしょう。
我々はアラカルトでスペシャリテを次々と注文。こちらは棒棒鶏なのですが、先頭打者ホームランとも言うべき危険な辛さです。ただし辛味だけではなく奥行きのあるスパイシー感もあり、ヒイヒイ言いながらもすっかり平らげてしまいました。
人気の「辛酸っぱい牛肉の旨煮」。メインのつもりで注文しましたが2品目で登場。このあたりコースの組み立てという概念は無さそうです。名前の通り辛酸っぱい味覚であり、大量に投下された山椒がビリビリと内臓を刺激します。やはりスープが旨くって、すっぱむーちょの5倍ぐらいややこしい。この複雑な味覚は並の日本人では絶対にクリエイトできないでしょう。
牛ハチノスの花椒和え。牛の内臓ではありますが臭みなどは一切なく、クニクニと心地よい食感と花椒の爽やかさを楽しみます。意外にソービニヨンブランなども合うかもしれません。
こちらは海老を揚げたもの。安心して下さい、この赤い奴らは食べることはなく風味付けです。バリっと揚がった香ばしい海老に後から追っかけてくる心地よい辛味。ビールにぴったりで無限に食べることができます。
〆はやっぱり麻婆豆腐。こちらも見た目は真っ赤っ赤ですが、辛味よりも複雑な旨味が支配的であり、思わず大ライスを注文したくなる味覚でした。

ふたりで以上を食べ、それなりに飲んでお会計はひとりあたり5千円。ゴキゲンな費用対効果です。興味深い料理が山ほどオンリストされているので、大勢で訪れて片っ端から注文するのが楽しいでしょう。赤坂「四川DINING 望蜀瀘(ぼうしょくろ)」にせよ、四川料理は辛くて酒が進み場が盛り上がるのだ。

ちなみにランチは800円の日替わり定食で、それを注文すると水餃子と味付け玉子が食べ放題になるという謎ハイコスパなシステムです。もちろん大盛りも無料。自炊するよりも安い。次回はランチにお邪魔してみようっと。

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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。
1,300円としてはものすごい情報量のムック。中国料理を系統ごとに分類し、たっぷりの写真をベースに詳しく解説。家庭向けのレシピも豊富で、理論と実戦がリーズナブルに得られる良本です。