とんかつレストランYAMASHiRO/首里(那覇)

2022年2月にオープンしたばかりの「とんかつレストランYAMASHiRO」。沖縄は豚肉文化圏なのですが不思議とトンカツ屋は少なく、あったとしてもチェーン店か繊細さを欠いた調理であることが多いので、当店は東京テイストの新星として期待大。入り口の看板の圧が凄い。
店内はカウンター席にテーブル席、個室といった座席配置。レストランというよりは親戚の家に遊びに来たかのような雰囲気です。ランチタイムは定食スタイルのトンカツ屋であり、ディナータイムは豚肉を中心としたコース料理です。
普通のオリオンビールは500円前後、プレミアム系オリオンビールでも700円と良心的な支払金額です。居酒屋の飲み代というよりは、まさにトンカツ屋でついでに飲むといった価格設計でした。

ところで店名につき「とんかつレストランYAMASHiRO」と記憶していたのですが、従業員が電話口で「肉料理YAMASHiRO」と名乗っていました。昼と夜で店名が違うのかしら。
アミューズという位置付けでしょうか、色々出て来ました。個別具体的に味は悪くないのですが、妙に器の主張が強い割に肝腎の料理が記憶に残りづらい。これはちょっと意図がわからないスタートです。
いきなりしゃぶしゃぶがやってきました。赤ちゃんのように薄いピンク色の豚肉はなるほど上質。しゃぶしゃぶとしてシンプルに食べるのに最適です。
お野菜は県産を中心としたもので、こちらも野菜の味が濃く美味。ただ、「まつもと」のようなしゃぶしゃぶ専門店ではなく肉のコース料理と銘打っているのに、入ってすぐにしゃぶしゃぶでは展開が早すぎるような気もしました。
真打登場、トンカツです。部位はシャトーブリアンであり、低温でじっくり揚げられているのか淡い色合いです。ひと口食べて驚愕。なんだこの美味しさは。優しいタッチの衣の奥には実にバブい瑞々しい味覚。この肉は旨い。トンカツとかそういう次元ではなく、肉料理として頂点の美味しさです。
シャトーブリアンの余韻に浸っていると、唐突に琉球料理の「ドゥルワカシー」が登場。沖縄名産の田いもを使った料理で普通に美味しいのですが、なぜトンカツの後にドゥルワカシー?という疑問も強い。
サービス(込み料金)で泡盛の古酒を振舞っていただきました。先の「ドゥルワカシー」と併せて、どうやら当店は「琉球」という概念を大切にしているのかもしれません。
まだまだ胃袋にスペースがありそうだったので、追加でヒレカツを注文。先のシャトーブリアンが凄すぎたので比べると至らない部分を感じてしまいますが、それでもトンカツとしては一級品であり、東京で勝負しても行列するレベルの美味しさです。
〆の炭水化物はしゃぶしゃぶのお出汁を用いて沖縄そばか雑炊を選択することができます。せっかくなので沖縄そば。スープの味わいが強く、思いのほかしっかりとした食べ応えでした。
デザートに濃厚なアイスクリーム(ジェラート?)で〆てごちそうさまでした。

お食事のコースは7千円であり、思ったよりも高いなあという印象。謎の前菜や即しゃぶしゃぶ、突然のドゥルワカシーと、やりたいことは沢山あるのかもしれませんが、色々と整理されていない部分も多いのかもしれません。一方で、トンカツそのもののクオリティは「とんかつ成蔵(なりくら)」クラスなので、いっそのことトンカツばっかし食べるのが勝ちパターンなのかもしれません。

次回はランチに訪れて、たっぷりのキャベツに白ゴハン、お椀といった定食スタイルで楽しんでみようと思います。

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私は「とんかつ」という料理をそれほど好みません。だって、豚肉を脂で揚げるだけじゃないですか。それなのに、行列するは調理に時間がかかるわ結構効高価だわで、積極的に取り組もうとしないのです。したがって、私は物凄く「とんかつ」ならびに「とんかつ屋」について、検察官のようにシビアに評価しています。思い入れが無い分、信憑性は高いかもしれません。
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とんかつを「超一流の大衆料理」として、グルメ業界の重鎮たちがひたすら議論を重ねる本。よくもまあとんかつでこれだけ語れるなあと呆れます。ここに記された「殿堂入り」のお店はさすがに外しません。