ザ・テラスクラブ アット ブセナ(The Terrace Club at Busena)/許田(沖縄)

沖縄本島北部、許田ICから南下し喜瀬ビーチ近くにあるブセナリゾート。旗艦ホテルは沖縄サミットが開催された「ザ・ブセナテラス」なのですが、敷地の外れにひっそりと「ザ・テラスクラブ アット ブセナ(The Terrace Club at Busena)」というホテルがあります。ブセナテラスよりもよりアッパーな位置づけであり、「スモール・ラグジュアリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド(Small Luxury Hotels of the World、SLH)」にも加盟しています。
ハイテクやモダンに寄せず、アジアのどこかにありそうなクラシックなリゾートを雰囲気の主軸に置いているからでしょうか、開業から10年が経つというのに古臭さは全く感じさせません。「ザ・ブセナテラス」はもちろんのこと、系列「ジ・ウザテラス」「ジ・アッタテラス」「ザ・ナハテラス」とも内外装を統一しており、テラスホテルズグループはやっぱりいいなあ。
お部屋は「クラブデラックス」にご案内頂けました。「クラブ」と銘打ってはいますが、当館は全館クラブフロアという位置付けであり、部屋も全てがデラックスです。
リビングエリア。部屋の広さは54平米なのですが、壁という壁、窓という窓を全てスライドで全開することができるため、数字以上の広さを感じます。ただ、テレビは古く(日立のWooo!)HDMI端子が見当たらないため、セルフでスマートテレビ化することはできませんでした。
テラスも広く、テーブルのほかデイベッドも備え付けられています。さりげなく風が通り抜け、鳥のさえずりが聞こえてくる。都会のホテルはいくら眺望が見事であっても窓を開けることができないので、こうした造りには心和みます。
こちらはミニバー(?)エリア。バスルームだけでなく、このスペースにも蛇口が通っているので、火口のないキッチン的な位置づけでしょうか。ネスプレッソやお茶、水は無料。「ジ・ウザテラス」と異なりミニバーの酒やスナックは有料です。
ウォークインクローゼットも広々。スーツケースを部屋でなくクローゼット内で広げることができるのがいいですね。バスローブや部屋着も柔らかくって肌に心地よい。
ウェットエリアに参りましょう。壁をスライドすることができ、バスタブから部屋を突き抜けてお外まで望むことができます。シャワールームも別に用意されており、とにかく明るく広々とした空間です。
アメニティはテラスホテルズ系列で統一。当館や「ジ・ウザテラス」はその他の系列ホテルの2-3倍の価格設定なのだから、このあたりはもう少し凝ってくれても良いなと思いました。
また、テラスホテルズ系列のどのホテルについても言えることなのですが、とにかくネットが遅いですね。ライティングデスクも無いため、ガッツリ仕事するという雰囲気ではありません。ノマド族の方はご注意を。
共用設備に参りましょう。こちらはアウトドアプール。沖縄のリゾートホテルのプールは家族連れが幅をきかせていることが多いですが、当館はそもそも大人しか泊まれず、またいい大人はプールで本気で泳いだりすることも無いため、主に鑑賞用に近い風情があります。プールはプールそのものでなくプールサイドのバーで飲むビールが一番楽しいのだ。
プライベートビーチもガチ泳ぎするゲストはおらず、あくまでお散歩コースの鑑賞用。それにしても見て下さい、この海の色を。このまま額に入れて家のリビングに飾りたいほどです。
ジムもあるのですが、これは大変ショボいですねえ。ちょっとした有酸素系の機器があるだけであり、これならブセナリゾート内をジョギングしたほうが気持ち良いでしょう。他方、空間設計としては素晴らしく、クーラーをきかせながら日差しを遮りつつヨガ、みたいな使い方にはうってつけかもしれません。
目玉は「タラソプール」。ブセナ岬で汲み上げられた海水を温めたタラソテラピー向けの屋外プールであり、多様なジェット刺激を楽しみつつ水中歩行に励みます(写真は公式ウェブサイトより)。日除けが設置されているものの(10年前にお邪魔した際は無かった)、屋外であることには違いないので、濡れても良い帽子を持参すると良いでしょう。
また、スマホを含め電子機器の持ち込みは一切禁止されているため、パパ活ギャルがインスタでマウンティングができない→スポンサーの黒光りオヤジが来ない→客層が安定する、という素晴らしい流れが完成していました。これはレストランの客層を向上させる際のヒントにもなるかもしれません。
タラソを楽しんだ後は酒です。前述の通り当館は全体がクラブフロアという位置付けであり、宿泊者全員がグラブラウンジを利用することができます。差別や分断の無い世界。
14-16時はティータイム、17-19時はカクテルタイム。酒のラインナップは中々のもので、ワインはシャンパーニュを含んで4-5種類、ビールは自前のクラフトビール、カクテル類もスタッフが作ってくれます。ちょっとしたツマミも置かれているのですが、あくまでオマケといった程度なので、ディナーの代替とすることはできないのでご注意を。
朝食は当館のメインダイニング「ファインダイニング(Fine Dining)」へ。健康志向に思いきり舵を切った朝食であり、成長期の私としてはやや物足りない。「ホワイトオムレツ」の見栄えは圧巻。詳細は別記事にて
ブセナリゾートを訪れるのは約10年ぶりでしたが、やはり良いものですね。「ザ・ブセナテラス」は家族向けのリゾートでありアダルトなカップルは居心地が少し良くないのですが、当館の存在はその悩みを全て解消してくれました。ブセナテラス側のプールやレストランも利用することができるので、多様な過ごし方に対応できます。大人カップルに超オススメ。下手な海外旅行よりも余程満足度が高いですよ。

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