モリエール モンターニュ(Molière montagne)/パーク ハイアット ニセコ HANAZONO

「パーク ハイアット ニセコ HANAZONO」のダイニング「モリエール モンターニュ(Molière montagne)」。北海道のフランス料理界を長く牽引する 「モリエール(Molière)」のプロデュースであり、当館で最高級かつ最も人気の高いレストランです。
パっと見、リゾートホテルのダイニングとは思えないほど雰囲気のある内装。子連れ客を見かけることはなく(OKなのかNGなのかは知らん)、純粋にフランス料理を愉しもうとするシックなゲストばかりです。

中道博シェフは23歳で渡仏。数年の修行の後、札幌グランドホテルで腕を磨き、1982年には世界料理コンクールで金賞・特別賞を受賞したレジェンド。札幌の「モリエール(Molière)」は当然に3ツ星です。
酒はやや高いですが、リゾートホテルのダイニングなのだから仕方ありません。それよりも、こんな山奥でもしっかりとしたワインリストを用意していることを讃えたい。
最初に地物野菜をそのままドーンとプレゼンテーション。「レストラン・マッカリーナ(RESTAURANT maccarina)」にせよ、当グループはこういった演出を大切にしているのかもしれません。
こちらも地元のジャガイモをチーズと共にタコス風に。大地の味わいがしっかりと感じられる美味なるアミューズです。
続いてゴボウのスープ。こちらも滋味あふれる味わいであり、土っぽいのに少しもエグ味を感じさせません。
春の訪れを告げるフキノトウのフリット。こちらも柔らかな苦みがきいており、大人の味わいです。
季節のお野菜。このひと皿で20種以上ものお野菜が詰まっており、歴史的旬間に立ち会いました。彩り鮮やかでセンスに満ちており、見て美しく食べて美味しいひと皿です。
良いボタンエビが入ったとのことで、アドリブでボタンエビ。ついさっきまで生きていたものをズバっと焼き上げ、シンプルに頂きます。卵の焦げた部分や殻と身の間のジューシーな箇所など、素朴な調理ながら色っぽい味わいでした。
パンもシンプルな仕様ですが、穀物の香りが感じられしみじみ美味しい。
松前鮑はひとりひとつゴロっと贅沢に頂きます。表面は不思議とクリスピーな歯ざわりで、嚙みつくとゆづドゥンドゥンとした弾力があり滅法旨い。イカスミのソースやそのリゾットも抜かりなく、窒息しそうなほど美味しかった。
お口直しも凝っていて、紅茶のソルベ(?)をまずはひと口、そのあと洋梨のお酒を振りかけて味変します。これはもうお口直しという次元を超えて、立派なデザートのひとつとして成立しています。
メインは十勝牛。ヒレの部分をシェフおすすめのミディアムレアで頂きます。シュワシュワと薫香が継続して立ち上り食欲を掻き立てます。お皿に盛ってからはその柔らかしっとりとしたタッチにうっとり。これだけ皿数が多いにも関わらず、最後まで旨い旨いと一気呵成に食べさせる勢いのある肉料理でした。
デザートに入る前にチーズ。フランス料理文化への敬意が感じられ、きっとシェフはフランス料理大好きマンなのでしょう。チーズは地元のラクレットだそうで、炙って溶かして食べずにテット・ド・モワンヌのように削って食べるのが面白い。
デザート第一弾はグレープフルーツのソルベ(?)。苦みと甘いが絶妙のバランスで、アクセントのワサビも面白い味覚です。ただ、このサッパリ感であれば、メイン前の口直しと順番チェンジしてもえんとちゃうかなとも思う。
メインのデザートはモンブラン。真っ白ですが、これには百合根を用いているそうで、まさに真っ白しろのピュアッピュアです。一方で、私はモンブランと言えば「アンジェリーナ(Angelina)」のような正統派を好むので、まあそんな日もあるでしょう。
ハーブティーで〆。ごちそうさまでした。2万円のコースにシャンパーニュをふたりで1本、メインに赤のグラスワインを追加して、お会計はひとりあたり3万円強。リゾートホテルにおける本格フレンチとしては良心的な価格設定であり、何よりリゾートホテル内のテナントであることを感じさせない、このまま東京に持って来てもトップクラスを争えるほどのクオリティであるのが素晴らしい。
昼はパウダースノーを堪能し、温泉で汗を流して至高のフランス料理に舌鼓。ごちそうさまの後はそのままベッドにダイブしておやすみなさい。これぞ究極のウインターリゾートと言えるでしょう。

同じエリア(って言ってもだいぶ遠いけど)で同グループが展開する「レストラン・マッカリーナ(RESTAURANT maccarina)」も大変素晴らしいので、ニセコを訪れた際はセットでどうぞ。

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