酒と炭焼 きんべゑ(きんべえ)/首里(那覇市)

ゆいレールの首里駅から歩いて数分の場所にある「酒と炭焼 きんべゑ(きんべえ)」。飲み物は日本酒を主軸とし、調理は原始焼き(炭火焼)、魚介類は豊洲から取るという那覇では珍しいスタイルの居酒屋です。
店内は靴を脱いで上がるカウンター席中心のお座敷に、靴を履いたままのテーブル席のエリアもあります(画像は食べログ公式ページより)。平日の夜にお邪魔したのですが、ゲストは3割の入りといったところです。
しかしながら、不思議なことにオペレーションは全然回ってません。ファーストドリンクは注文からおよそ10分を要し、お通しは約15分、おしぼりに至っては催促するまで出てこない有様です。
ファーストドリンクの注文から約15分を要したお通し。小さなお浸しに巻き寿司が2ピース。どこにその時間を要したのか、この客数でこのオペレーションの乱れは、正直なところ理解に苦しみます。
注文からおよそ30分を要した厚揚げ。味は悪くない。ただ、3割の入りでこの提供時間は、いかなる丁寧な仕事を想定しても説明がつきません。
さらにそこからおよそ30分を要したゴマサバ。注文からトータルでおよそ1時間。味は悪くないだけに、この運営の機能不全は純粋に惜しい。
料理の提供に長時間を要することに加え、他のゲストのテーブルには空のグラスが並び、「あたしのドリンクって注文入ってますかぁ?」のようなコールが飛び交い始めます。時間制限付きの飲み放題プランで、あの対応では不満が出るのも当然です。これ以上の滞在は無用と見切り、退店しました。

以前訪問した「Wine & Steak alpha(アルファ)」でも同様の体験をしましたが、那覇には基礎的なオペレーションに課題を抱える店舗が散見されます。せっかくの料理の質が運営の問題で損なわれているとすれば、客にとっても、店にとっても、惜しい話です。

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寒い季節は沖縄で暮らしているので、旅行やゴルフだけで沖縄に来る人よりかは一歩踏み込んでいるつもりです。沖縄の人ってネットに書き込みしないから、内地の人が知らない名店が結構多いです。
沖縄通を気取るなら必ず読んでおくべき、大迫力の一冊。米軍統治時代は決して歴史のお話ではなく、今の今まで地続きで繋がっていることが良くます。米軍の倉庫からかっぱらいを続ける悪ガキたちが警官になり、教師になり、ヤクザになり、そしてテロリストへ。沖縄戦後史の重要な事件を織り交ぜながら展開する圧巻のストーリー構成。オススメです。

ザ グレートバーガー(THE GREAT BURGER)/神宮前

南カリフォルニアの世界観に拘る「ザ グレートバーガー(THE GREAT BURGER)」が百名店に選出。印象的なガラスの大箱と派手派手なエクステリアが目印です。最寄りは明治神宮前駅で、原宿駅からも歩いて10分弱といったところ。
行列すると思いきや、平日正午ごろであっても客は6-7割の入りであり、その多くは外国人ゲストです。明るく開放的な空間が特長的で、アメリカンダイナーらしい雰囲気です。ただ、ところどころ清掃が行き届いておらず、スタッフの服装もダボダボで飲食店としてだらしない印象を受けました。
クラフトビールが充実しており、一番大きなサイズで1杯お願いするのですが、期待していたよりもサイズが小さい。これで1,540円という値付けには割高感を覚えました。ちなみに当店は価格表記が税抜きであり、お会計の際にちょっとした不意打ち感があります。
ベイビーケールサラダ。苦味が少なく柔らかいベイビーケールを主役にアボカドやナッツなどをあわせたヘルシーなひと品。味は悪くないのですが、これだけで2,200円という価格設定はやりすぎに感じました。所詮は葉物野菜のサラダであり、それなりのドレッシングやトッピングが添えられていたとしても、この値段を正当化するには少々無理があるように感じます。
ダブルチーズバーガーは2,365円。焦げ茶色のバンズが特長的で、フワフワとした独特の食感が心地よい。ほんのりとした甘みがあり、ジューシーな肉々しいパティの強い旨味に負けない存在感があります。
パティはシズル感たっぷりで食べ応えもバッチリ。肉の繊維感を残すように粗挽きに仕立てられており、ステーキを食べているかのようなワイルドな咀嚼感を楽しみます。溶けたチーズを接着剤としてバンズとの調和も完璧です。
ポテトは細切りか皮付き厚切りかを選ぶことができ、私は前者をチョイス。サクサクとした軽やかな食感が心地よく、思い切りの良い塩気もビールを誘います。もうちょっと量が多いと嬉しいんだけどな。また私が食べ終わるのを見張っていたのか、最後の1本を持ちあげた瞬間に光の速さで皿を下げられ、当店の辞書に余韻の二文字は無いのかもしれません。そのくせ外国人ゲストに対してはウェットに付き合っており、ハワイ在住の日本人みたいな接客スタイルです。
以上を食べてお会計は6,105円とバリ高い。加えて「シートチャージ」なるものを追加で110円加算され、何やねんそれ聞いてへんぞ案件。別に110円くらい構いませんが普通に不愉快なので、最初から値上げして料理の代金に含めておいて欲しい。高級店で買い物したのに紙袋代金を取られるストレスに似ている。

けっきょく消費者が本当に嫌うのは「値段が高いこと」よりも「払う覚悟のできていない出費」なのかもしれません。透明性こそが信頼であり、小さな不意打ちが店への印象を大きく損なうことを改めて認識させてくれた学びのあるランチでした。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。

あんじんもこ/赤嶺(那覇市)

小麦・卵・バナナ不使用のグルテンフリー&アレルギー対応のカレー専門店「あんじんもこ」。店名は「あんじん(安心)」+「もこ(店主のニックネーム)」であり、店主のお子さんが重度の食物アレルギーを持っていたことをきっかけに、アレルギーを持つ子供たちが家族と同じテーブルで、同じ料理を安心して食べられる環境を作りたいという切実な想いから活動を開始したそうです。場所はゆいレールの赤嶺駅から歩いて5分ほど。駐車場もあるっぽい。
店内は清潔感があり広々とした空間。カウンター席やテーブル席に加えソファ席などもあって居心地よし。また、キッズスペースもあって、子連れに優しい環境です。他方、店主がプロレス好きという一面もあり、店内にはレスラーのポスターや写真が多数飾られており、筋骨隆々のモノノフたちがゲストを睨めつける様は独特な雰囲気を醸し出しています。
この日は3種類のカレーが用意されており、せっかくなので全部食べてしまおうと2種盛りカレー+チキンカレーでお願いしました。前者が1,480円で後者が980円。180円の追加料金で大盛も可能とのことですが、写真の通りデフォでも中々の盛り付けなので、普通の食欲の方はオーダーそのままで充分でしょう。
こちらは「vegan 野菜カレー」。動物性食材を一切使用せず、野菜とスパイス、そして昆布やシイタケなどの植物性出汁を用いて旨味を表現しています。程よい赤みと酸味はトマトでしょうか、心身ともに整うような清涼感が感じられる軽やかな味覚です。スパイス由来の苦みも程よく感じられ、重層的な味わいです。
こちらは「焦がしチーズキーマカレー」。肉はあると言えど脂っこさは抑えられており、スパイスのパワーで肉の旨味を引き出しています。チーズはバーナーで丁寧に炙ることで熱を持たせ、ナッツのような芳醇な香りとコクをプラスしています。
こちらは「チキンカレー」。このお店の看板とも言えるメニューであり、スパイスの香りはしっかりと立ってはいますが、辛味は殆ど感じられません。クミンやコリアンダーが爽やかに香りますが、刺激としての辛味ではなく、あくまで風味として喉を通るため暑苦しさも皆無です。
サラダもたっぷりと添えられており、また、ビッグサイズの唐揚げがトッピングされるのも嬉しい。ライスはターメリックライスでしょうか。日本の白米らしいもっちり感は残しつつも、少し硬めに炊き上げられています。視覚的な彩りも良いですね。
店主の切実な想いから始まった場所ですが、決して堅苦しい雰囲気はなく、純粋にカレーの美味しさを楽しむことができました。当店は全く違いますが、それにしてもコッチ系のお店は妙に説教臭いことが多いのはどうしてだろう。

ちなみに店主のお子さんたちは柔術・キックボクシング・修斗などの格闘技界で活躍しているそうで、兄弟喧嘩になったら大変だ。

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牛おおた/真如堂(京都市)

真如堂のそばで地元民に長年愛されてきた国産和牛専門の焼肉店「牛おおた」。電車でのアクセスは悪いですが、目の前がバス停なのでバスがオススメ。白川通沿いに位置し駐車場もあるので車でも行きやすいです。 
店内は広々としたカウンター席に加え、テーブル席に半個室に2階席と意外に大箱。2階にはキッズスペースも設けられており、子連れファミリーにも配慮された構成です。ロースターはガス式で、内装は飾り気のないシンプルな造りです。
ビールが大ビンで900円と良心的な価格設定。焼酎が豊富なのが印象的で、一升瓶をボトルキープしている強者もチラホラ見受けられます。
ナムル盛り合わせは特盛スタイルで、ほうれん草・もやし・ぜんまい・大根などの野菜類をごま油・塩・にんにく・ごまといったシンプルな調味料で和えて仕上げています。焼肉の合間に箸休めとしてはもちろん、酒をチビチビやりながらつまむに最適の味覚です。
キムチ三種盛は白菜・大根・胡瓜と定番のラインナップ。じっくり漬け込んだ深い旨みと辛みが特長的で、三種それぞれの個性が揃うことで飽きのこない食体験が生まれます。
牛ステーキスライス。厚みのある国産和牛をレアに仕上げたステーキを薄切りにスライスしてタタキ風に提供するひと皿。ポン酢で食べるのがいいですね。その柔らかな酸味と出汁の旨みが上質な和牛の甘みや繊細な脂の風味を邪魔することなく際立てます。スライスという提供形式により肉の断面を味わうことができるのも魅力的。
タンとテールの煮込み盛合せ。タンの美味しさは当然として、テールは骨まわりのゼラチン質が溶け出すことでスープに深みとコクを与え、ふたつの部位が互いに旨みを引き出し合い、単独では出せない重層的なコクと風味を楽しみます。本日一番のお皿でした。
焼肉に入ります。トップバッターにしてエースで4番の「ヘレ」。いわゆるヒレ肉であり、脂肪分が少なくきめ細かい肉質。それでいて上品な旨みと甘みも備えており、霜降り肉とはまた異なる赤身の美学を堪能します。5,300円と一見高価ですが、同等の牛肉をステーキハウスや鉄板焼きで食べることを考えれば良心的な価格設定と言えるでしょう。
カットされたキャベツが自動的に出てきます。そのまま食べて良し、鉄板でちょっと焼いてたべても良し。序盤のナムルやキムチを含め、焼肉屋に来ながら中々の野菜摂取量です。
上肉ぶつ切り落とし。上質な和牛の様々な部位の切れ端(?)を盛り合わせたお得なひと品です。とは言えあくまで上質な肉を使用しており、部位ごとに食感・脂の乗り・風味それぞれに個性がありゴハンとの相性も抜群。ヘレのような繊細なひと品とは対照的に、肉をがっつりと楽しみたいときに頼りになる存在です。
また、当店の看板技術である「洗いだれ」も見逃せません。ゴマと青ネギを浮かべた和風出汁に焼き上げた直後の肉をくぐらせることで、表面の焦げや過剰な脂質が洗い落とされ、和牛焼肉ながらスッキリとした口当たりが実現します。
しっかり飲み食いしてお会計はひとりあたり1万円ほど。やはり関西は焼肉のレベルが高い、と思わず唸る費用対効果です。「京の焼肉処 弘(ひろ)」にせよ、繁華街ど真ん中でなく観光客に毒されていないのがいいですね。気の合う仲間とワイワイやりに是非どうぞ。

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それほど焼肉は好きなジャンルではないのですが、行く機会は多いです。お気に入りのお店をご紹介。
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フード・ラック!食運 [ EXILE NAOTO ]
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寺門ジモン監督の焼肉映画。焼肉文化についてここまでシリアスに描けているのは監督の焼肉に対する並々ならぬ拘りに因るのでしょう。焼肉業界の有名店や有名人も沢山登場するので、焼肉通を標榜するのであれば必修科目の1本です。

井泉 本店(いせん)/湯島

1930年(昭和5年)創業の「井泉 本店(いせん)」。もともとの呼び名はセイセンだったようですが、客が皆イセンイセン言うからイセンにしたという柔軟なマインドを持つとんかつ専門店。かつサンド発祥の店としても知られています。昭和の面影を色濃く残す木造風の外観が目印です。
店内はカウンター席、テーブル席、お座敷の3種類で構成されています(画像は公式ウェブサイトより)。お座敷は昭和30年代まで芸者衆が踊っていた歴史ある空間だそうで、お座敷の合間に口紅を汚さずに片手で手軽に食べられるよう、かつサンド爆誕したそうです。ちなみに全国的に有名なとんかつチェーン「とんかつ まい泉」は「井泉」からの暖簾分け説と、なんか揉めて正式な暖簾分けではない説があるようです。誰か詳しい情報求む。
私は看板メニューの「ヒレかつ定食」を注文。休日の16:40頃にお邪魔し、ファーストロットに間に合わず入店から30分ほどを要しました。ヒレカツにキャベツと豚汁、ゴハン、お漬物がついて2,200円。キャベツとゴハンはお代わりOKです。
ヒレかつ。きめ細かくサクサクとした軽い衣であり、歯を当てるだけで容易に千切れます。お肉も繊維が上手くほぐされており、なるほど「お箸できれるやわらかいとんかつ」という主張は伊達ではありません。お肉は繊細で上品。しっとりとした口当たりで脂っこさが一切なく、何枚でも食べ進められる洗練された味わいです。
また、卓上に置かれたソースが素晴らしいですね。 オリジナルの特製とんかつソースであり、酸味と甘みのバランスが当店のトンカツにピッタリ。キャベツは細かく千切りされており瑞々しくフレッシュな口当たりなのですが、このソースをかければ箸休め以上の存在感を放ちます。
ゴハンとお漬物はいずれもシンプルですが、安定感のある味わい。嬉しいのはおかわり自由である点で、出来立ての料理を白米と一緒に口にする体験は日本の定食文化そのものです。
とん汁も素晴らしい。人参・ゴボウ・ネギがたっぷり入った具沢山スタイルで色んな味がする。また、豚肉が入ることで旨みにコクが加わり、単なる付け合わせを超えた一品として成立しています。
以上の「ヒレかつ定食」が2,200円(画像は公式ウェブサイトより)。上質なトンカツとバリ旨い豚汁にお代わりOKなゴハンとキャベツをたっぷり食べてこの支払金額は実にお値打ち。創業から100年近く経つ今であっても客足が絶えない理由が良く分かりました。やはり老舗には老舗たる理由があるのだ。

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私は「とんかつ」という料理をそれほど好みません。だって、豚肉を脂で揚げるだけじゃないですか。それなのに、行列するは調理に時間がかかるわ結構高いわで、積極的に取り組もうとしないのです。したがって、私は物凄く「とんかつ」ならびに「とんかつ屋」について、検察官のようにシビアに評価しています。思い入れが無い分、信憑性は高いかもしれません。

トンカツだけでなく揚げ物全般について注力した興味深い本。トンカツを単なる洋食系の揚げ物から偉大なごちそうへと昇華させる秘訣が惜しみなく紹介されています。写真を眺めているだけで腹が鳴る。