Onemata(オネマタ)/パークハイアット オークランド(Park Hyatt Auckland)

「パークハイアット オークランド(Park Hyatt Auckland)」のメインダイニング「Onemata(オネマタ)」。ホテル本編の記事で詳しく述べましたが、当館はマジでつまらないホテルであり、メインダイニングで朝食を提供するあたりコンテンツの少なさを象徴している気がします。ちなみに店名はマオリ語で「豊かで肥沃な土壌」を意味するそうです。
マリーナに面して位置しており、ウォーターフロントの牧歌的で魅力的な景色を望むことができます。内装は木材を基調としており温かみを感じさせつつ、上手くエレガントでモダンな雰囲気を創り上げています。
着席してすぐに飲み物の注文を取りに来てくれます。が、これが結構クセモノで、週末の忙しいタイミングで来ると15分ぐらい待たされるので、おかわりは計画的にオーダーしましょう。もちろん普通の平日であれば変にバタつくことはありません。コーヒーについては地元のスペシャルティコーヒーロースターである「Eighthirty Roasters」との提携しており、お茶類は「Webster's」や「Forage+Bloom」から取っているようです。
当館の朝食はセミビュッフェスタイル。基本的な料理はオーダー制で、パンやシリアル、フルーツにスイーツなどはセルフサービスでピックアップします。
「スモールプレート」と呼称される料理は5-6種類用意されており、私はグリーンサラダを土台に日替わりでスモークサーモン、シャルキュトリ、チーズなどを取っていました。
とりわけスモークサーモンが旨く、ビュッフェ形式のスモークサーモンとは一線を画する味覚です。もちろん野菜のクオリティも素晴らしい。

ここから先は「ラージプレート」のご紹介。一般ゲストは1皿のみの注文ですが、私はグローバリスト様なので、1人あたり2皿も注文できました。避暑のために長く滞在したため、全種類制覇する勢いです。
こちらは「オマネタ ブレックファスト」で、好みの調理法で仕上げる卵料理を中心に、香ばしいベーコン、ピリ辛なラムのメルゲーズソーセージ、マッシュルーム、ほうれん草といった朝食の定番が並びます。さらに、ニュージーランドならではの甘いサツマイモ「クマラ」と、風味豊かなサワードウパンが添えられ、ボリュームも満点。レストランの名前を冠すだけある豪華なシグネチャープレートです。
アボカドトースト。トーストの上にクリーミーなアボカドと爽やかなリコッタチーズが塗られており、フレッシュなトマトサラダとポーチドエッグが彩りを添えます。
パンケーキ。外皮はサクサク、中身はドッシリとした記事の上に濃厚でクリーミーなキャラメルソースがたっぷりとかかり、甘酸っぱく煮詰めたリンゴが爽やかさを加えます。加えてコクのあるマスカルポーネチーズも添えられ、血糖値スパイクを約束するひと品です。
こちらは定番のエッグベネディクト。通常のマフィンではなく、バターの風味豊かなブリオッシュバンズを使用しているのが特長的で、その上には、ほうれん草、旨味の強いショルダーベーコン、そして完璧な半熟具合のポーチドエッグが乗せられます。全体をまとめるのは、濃厚で滑らかなオランデーズソース。エッドベネディクト界隈では最高峰とも言える仕上がりです。
大してオープンタイプのオムレツはパっとしません。具材の彩りが美しくフワフワの卵の食感も悪くないのですが、調味がそれほど決まっておらず、「オマネタ ブレックファスト」の肉類が恋しくなったほどです。
「ビビンバ」は全然ダメですね。韓国料理を何も知らない欧米人がイメージで作っただけの料理であり、味付けが全然ダメ。とはいえ卵・ほうれん草など食材ひとつひとつの質は悪くなく、何となく食べれてしまうのが恐ろしい。これが素材の力である。
最悪なのが「ビーフ ボーン ブロス」であり、日本のカップ麺のほうがまだ美味しいレベルです。周りを見渡すとアジア系のゲストは皆、眉をひそめており、「異なる食文化の者が雰囲気でご当地料理を作ってはならない」との教訓を得ることができました。
色々と書きましたが、野菜・卵・肉のクオリティは目を瞠るものがあり、これだけの朝食をビジターが50ドル(約4,500円)で楽しむことができるのはリーズナブル(我々は宿泊費に含む)。

本編で記した通り、退屈の極みを体現したホテルでしたが、朝食のひとときだけは神懸かった奇跡の一幕のようでした。

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