「Hilton Auckland(ヒルトン オークランド)」のメインダイニング「FISH Restaurant(フィッシュ レストラン)」。ヒルトンの一員としてだけでなく、飲食店そのものとして評価の高いレストランです。プリンセス・ワーフの先端、300メートル沖合に位置しており、ウォーターフロントの雰囲気を満喫することができる誂えです。
飲み物はいわゆる外資系ホテルの値付けであり、市中のレストランよりは2-3割は高い印象。我々はニュージーランド産ワインでおなじみの「クラウディベイ」のスパークリングワインを1本頂きました。マールボロ産のシャルドネとピノ・ノワールから造られており、リンゴやレモンのようなフレッシュな果実味に、焼き立てのパンやナッツを思わせる香ばしいアロマが重なります。
前菜に看板料理の「地中海風クラブケーキ」。カニの身を贅沢に用いており、ほぐした身をひとまとめにしてカリッと焼き上げます。地中海風というかカニそのものであり、カニ缶をそのまま凝縮したような旨味が感じられます。
ニュージーランド屈指のムール貝産地として名高いマールボロ地方、その中でも特に評価の高いミルズベイ産のムール貝。なるほど貝そのものの質は高いのですが、ソースがタイ風というか何というか甘くて酸っぱくてクリーミー。好みが分かれる調理であり、個人的には塩とオリーブオイルと少しのニンニクでいいのにな、というお気持ちです。
「マーケットフィッシュ」はシンプルにグリルし、バターを主体として頂きます。枝豆や海苔、出汁など日本ムーブをかましてくるのですが、こちらも普通のブールブランソースでいいのにな、というお気持ちです。なお、この魚が何の魚かは知らない。
お肉料理はブラックアンガス牛のスコッチフィレ。アメリカ料理で言うところのリブアイであり、繊細に柔らかく適度に脂があり、ステーキとして純粋に美味しい。添えられた骨髄は濃厚オブ濃厚な味覚であり、これを使ってチャーハン使ったら旨いだろうな、と思わせる迫力があります。

焼き加減は完璧で、ソースはシンプルな赤ワインと肉汁のソースに留めており、肉の質の高さを邪魔することがありません。付け合わせのジャガイモやブロッコリーニも素材の質が高かった。
以上の料理とワイン1本を2人でシェアし、総額で200ドル強(約2万円)。外資系ホテルのメインダイニングでしっかり飲み食いしてこの支払金額はお値打ち。タイ風や日本風の調味はご愛敬ですが、素材の質そのものは高く、それらの良さを上手に引き出すメニューを選択すれば満足度は非常に高くなるでしょう。シンプルな料理をどうぞ。ツイート

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。