日本料理 さくら亭/中野

新宿的雰囲気を湛える中野駅北口。猥雑な飲み屋街の中のややこしいビルの中にひっそりと佇む雰囲気の良いエクステリア。中野でいちばんの日本料理と名高い「さくら亭」です。
個室にお通し頂けました。テーブル中央のアクリルボードがGReeeeNの「愛唄」みたいで素敵だなと思っていたのですが、弁護士連中は「接見室を思い出す」との職業病。
「必ず出してやるからな」とアクリルボード越しに乾杯。アルコールは中ビン700円と居酒屋価格ですが、日本酒が1合千円を余裕で超える値付けであり、中野という街を考えれば強気の価格設定です。やわらぎ水もミネラルウォーターで有料。
まずは枝豆。ビールと共に今年も夏がやって来ました。
お椀はハモ。美味しいのですが、私は淡路島で一級品のハモをたらふく食べて来たばかりなので、どうしても比べてしまいました。
もずくとじゅんさい。サッパリとした酸味が真夏の夜のベタつきを洗い流してくれます。
馬刺し。これはちょっと困惑。なぜ唐突に馬刺し?悪くはありませんが意図はよくわかりませんでした。
八寸はまさに酒のツマミという様相を呈しています。奥の毛ガニと何かの塩辛(?)がお気に入り。
お造りが美味しい。いずれも高品質な個体であり、肉厚でじっとりとした味覚がグッドです。
丸々と太った鮎。びっくりするほどの特大サイズで気圧されました。味はやや大味。
〆の蕎麦。あり?もうおしまい?皿出しのテンポが悪く時間だけはたっぷりと要していましたが、まだまだ出るのだろうと高を括っていただけに突然の打ち切りに喪失感半端ないです。
粛々としたデザートで〆。ごちそうさまでした。

お会計はひとりあたり2万円弱。うーん、これは割高なあ。中野という街の中で落ち着いて会食できるという意味では貴重かもしれませんが、純粋に旨いものを腹いっぱい食べたいのであれば、「美酒嘉肴 ゆきみさけ」などを訪れるほうが良いでしょう。

また若い給仕の女の子は気がきいて可愛かったのですが、女将(?)の愛想が悪く、着物にひっかけて飲み物をこぼしておきながら拭きにも来ず、こぼされた飲み物の伝票は付けられっぱなしと納得のいかないフィニッシュでした。

食べログ グルメブログランキング


関連記事
日本料理はジャンルとして突出して高いです。「飲んで食べて1万円ぐらいでオススメの日本料理ない?」みたいなことを聞かれると、1万円で良い日本料理なんてありませんよ、と答えるようにしているのですが、「お前は感覚がズレている」となぜか非難されるのが心外。ほんとだから。そんな中でもバランス良く感じたお店は下記の通りです。
黒木純さんの著作。「そんなのつくれねーよ」と突っ込みたくなる奇をてらったレシピ本とは異なり、家庭で食べる、誰でも知っている「おかず」に集中特化した読み応えのある本です。トウモロコシご飯の造り方も惜しみなく公開中。彼がここにまで至るストーリーが描かれたエッセイも魅力的。