サロン・デュ・ショコラ2020食べ歩き速報!

私が1年で最も血糖値が高い日、年に1度のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」。今年も新宿NSビルでの開催です。今年は例年に比べて会期が長く、ちょうど中休み的な日程にお邪魔したため、来日中のシェフたちをあまり見かけませんでした。


■アマゾンカカオ
「エル・ブジ」などでの腕を磨いた「アマゾンの料理人」太田哲雄シェフは「ショコラビビン麺」「ショコラ冷麺」を提案。確かに面白い試みではありますが、あまり食指は動きません。
なので我々はデザートのみを注文。こちらは「カカオと湧き水のジェラート」。冷麺等が2千円もすることを考えると、ジェラートが700円というのは安く感じる不思議。水分が多くエアリーで面白い舌触り。カカオというよりもアマゾンのハチミツの風味に魅力を感じました。
「カカオと湧き水のフォンダンカカオ」は500円。こちらはカカオの風味がより前面に出て美味しいのですが、冷蔵庫から出したものを包丁で切って出すだけというのは興ざめ。であれば新宿御苑「ケンズカフェ東京(KEN'S CAFE TOKYO)」の1本3千円のガトーショコラを恵方巻のようにして食べたい。
「アマゾンカカオのスムージー」は更にカカオの特色が引き出されグッド。トッピングの生クリームもコッテリとした風味で美味。


■ジャン=ポール・エヴァン
ジャン=ポール・エヴァン芸人として当ショコラティエの素晴らしさを啓蒙し続けていたのですが、あり?なんだこのブースの空きっぷりは?店舗デザインもシックなものからは遠く離れ、どうぶつの森的なニュアンスへと変化しています。
「バヴァロア ショコラ フランボワーズ」を注文。935円と非常に高価。ショコラというよりもメレンゲや生クリームが支配的な外観です。
割って食べてもやはりショコラの量は少ない。フランボワーズソースと合わせて確かに美味しいのですが、 「サロン・デュ・ショコラ」というイベントの目的には合致していないような気がしました。

JPHはパリのサロショにも参加しないようになり、引退説が濃厚。提供するスイーツも世界観も何だか全てが雑であり、ガッカリです。しばらくこのチョコ屋とは距離を置くことにしよう。


■ナオミ・ミズノ
2018年ワールド チョコレート マスターズの審査委員長も務める実力派は話題の素材「ルビーチョコレート」。バリーカレボー社が開発した、ダーク、ミルク、ホワイトに続く第4のチョコレート。なのですが、やはりショコラというよりもルビーという印象の方が強く、限界を感じました。


■総括
ということで、今年の買い食いはこれにて打ち止め。なんというか、これまでのサロショと比べると全くアガりませんでした。装飾などにも気合いが入っておらず、シェフもゲストも馴れ合いの空気に満ちており、オワコン感が半端ありません。
フロリレージュ(Florilege)」が2,700円のカキ氷で出店していたのにはさすがに頭に来ました。君たちショコラと何か深い関係がありましたっけ?沖縄の「シルー (SHIROUX)」せよ、この団体が目指すゴールがさっぱりわからない。
そこそこに腹が立ち、わけのわからん素材に手を出さずショコラだけに真摯に取り組んでいる店のタブレットのみを買い(私はカカオ原理主義者なのだ)、予定よりも大幅に前倒して会場を後にする。
伊勢丹はもうこのイベントを辞めたくなっているんじゃないか、と疑いたくなるほどクオリティの甚だしい低下を感じました。各ショコラティエや現場担当者の努力がどうのこうのと言っているのではなく、経営レベルでのやる気、力の入れようがが一切感じられない。
他方、ジェイアール名古屋タカシマヤの「アムール・デュ・ショコラ」は大盛況のようですし、ここはひとつ、サロショのライセンスは各百貨店が数年おきに当番する持ち回り制にするのはいかがでしょう。慣れてくると恋は消え去るものなのだ。


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男、かつ、左党の割にスイーツも大好きです。特にチョコレートが好きですね。JPHが基準なので、スイーツの評価は厳し目かもしれません。

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