2017年バレンタイン総括



3月に入り狂想曲も一段落。2017年はBean to Barが遂に市民権を得てメジャーデビューを果たした印象です。GLAYで言うところの1994年。いよいよキャズムを越えました。

いずれチョコレートもワインのようにテロワールに意識が集まるようになるのでしょう。現在はネゴシアン的チョコレートが主流ですが、いずれドメーヌ的チョコレートが持て囃され、DRC級のスーパースターが登場するのもそう遠い未来では無いはず。楽しみだ。

ところで私はチョコレートを受け取る際に必ず「僕は本命チョコしか受け取らない主義だけど、それでもいい?」と訊ねるようにしています。半分冗談半分本気。カフェラテのような心境で得たチョコレートたちは以下の通り。

■ミニマル
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13175834/
1月13日という史上最早のバレンタイン・チョコレート。しかもBean to Barのタブレットのみと信念を感じます。
「Bean to Bar」とはカカオ農園に直接足を運び直接仕入れ、カカオ豆から板チョコレートができるまでの全工程(選別・焙煎・摩砕・調合・成形)を管理し製造するスタイルのこと。

全部ハゲてしまいそうなほど旨かった。カカオがフルーツであることを思い出させてくれる味。粗挽きのジャリジャリ感なんてもう最高。これは本物マジでうめえあうあう。
モールド(デザイン)にも並々ならぬこだわりが。こういうお店が日本発なのは本当に嬉しい。白金高輪にも店舗ができたみたいなので、自分用普段使いにも利用しようと思います(写真は公式ウェブサイトより)。


■JEAN-PAUL HEVIN (ジャン=ポール・エヴァン)
https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13191905/
私の最も好きなショコラティエ。やはりどうしたって美味しい。新作の数も多くって、食べても食べても追いつかない!


■Dari K
https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260503/26028000/
京都で進達するビーン・トゥ・バー専門店。パリのサロショには出店するが東京はスルーという玄人好みのショコラトリー。

ビーン・トゥ・バー推しはタブレットに走りがちですが、当店はガナッシュに一家言。生クリームがカカオの違いをより一層ひきたててくれます。各種フレーバーも用意されており意欲的。今後が楽しみです。


■LES CACAOS
https://tabelog.com/tokyo/A1316/A131603/13203619/
フランスで7年修行の後、日本のピエール・マルコリーニで7年シェフパティシエを務めた方が五反田の地で独立。こちらもBean to Bar。
キューバのカカオはタバコのflavorがしたニガくてせつない香り。ちょっと玄人好みかも。非常に攻めたタブレットでした。


■BENOIT NIHANT
http://www.benoitnihant.be/
日本未進出であり、バレンタイン期間のみの限定出店。 製鉄メーカーのエンジニアから転身したビーン・トゥ・バー職人。嬉しい2段重ねタイプです。
セミリキッドタイプキャラメルのボンボンショコラもいいけれど、やはり真骨頂は焙煎。カカオは当然のこと、ピーナッツやアーモンドの香ばしさが堪らない。全般的にカカオの香りの豊かさを前面に出した造り方でモロタイプ。


■patch
http://www.patchi.com/Home
ドバイ土産です。厳密に言うとレバノンのショコラトリーなのですが、ドバイのゴディバ的ポジションを確立。ミルク主体の甘めのチョコレート。クリスピーなパフも軽快であり、老若男女みんなが好きな味でしょう。


■マリアージュフレール
https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13002632/
ここのところ紅茶がマイブームなのですが、バレンタイン当日に自宅に届いたのがコチラ。エスパーか!薫り高く和やかな味わいです。


■スターバックス
http://www.starbucks.co.jp/
最も印象に残ったのはコチラ。スタバのドリンクチケットです。IT革命の波がこんなところにまで。。。


それにしても、本気で造られたチョコレートは思わず目を細める美味しさです。見た目の深み、豊かな香り、タブレットを割った際の軽快な音、滑らかな舌触り、圧倒的な味覚。チョコレートとは五感で楽しむことができる食べ物だ。

ショコラトリーで働くみなさん、クリスマス・バレンタイン・ホワイトデーと忙しい日が続きますが、くれぐれもご無理などなさらないようご自愛ください。


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男、かつ、左党の割にスイーツも大好きです。特にチョコレートが好きですね。JPHが基準なので、スイーツの評価は厳し目かもしれません。

難解な理論をユルいトーンで柔らかく読み解く専門書。チョコレートに係る基本的な素養から、文学や映画など芸能との関係まで解かり易く解説。ぜひチョコレートを食べながらのんびりと読んでみましょう。

JEAN-PAUL HEVIN 東京ミッドタウン店