JEAN-PAUL HEVIN/六本木

冬メニューが終わり、春の新メニューが始まったと伺い、早速お邪魔します。

ホワイトデー前日の日曜日。混雑すると困るので、ミッドタウンの11:00オープンと同時に小走りでお店へ向かう。驚愕。既に物販側は長蛇の列。だってまだ11:01ですよ!お前ら何て素敵な彼氏たちなんだ!全員とハイタッチしたくなりました。
私は物販ではなくサロンドテ(イートイン側)へ。コチラに待ちは無く、本日のゲスト第1号です。店内奥の少し高くなった特等席を陣取ります( 写真は公式HPより)
サラダ・ドゥ・ランティーユ。レンズ豆とツナのタルタルの上に、たっぷりのセルバチコをのせたサラダです。

セルバチコって大好き。ルッコラのオバケみたいなもので、ゴマのような香りに始まり、仄かな辛味や苦味などがある複雑なハーブです。一言で表すと野生的。ただ、スーパーであんまり売ってないし、売ってあったとしても高いのが困ったちゃん。
タルタルは直径15cmほどの特大サイズ。 レンズ豆とツナの配合のバランス感覚が絶妙です。アクセントのオレンジも心憎い。サラダと侮るなかれ、たっぷりのレンズ豆が胃袋を満たしてくれるので、結構おなかいっぱいになります。

下品な表現ですが、きちんとしたフレンチレストランであればアラカルトで2,800円ぐらいしそう。それが当店であれば税込1,512円。何度も何度も書いてますが、当店の費用対効果は抜群なのです。

さてお待ちかね、スイーツです。当店の甘味の品質は当然に確かなのですが、値段はそれに見合ってかなり高い。ケーキは700円前後、ショコラショ(ココア)に至っては1杯1,433円(税込)と普通の人間であれば軽くひいてしまう価格設定です。

なのですが、食事と共にドリンクならびにケーキを楽しむ場合、たった+772円で済むという、どこかで計算間違いをしているとしか思えないランチセットが存在するのです。
本日は週末限定のモンブランを。チョコ屋でモンブラン?という感じですが、私はスイスから帰国したばかりであり、ちょうどモンブランに愛着が沸いていたところ。
まず、標高3,883メートルから生のモンブランを見た。
そしてスイス人はやたら栗を食う。やたら食う。IWC(高級時計屋)の隣に焼き栗の屋台を出しても許される文化です。
なので今回はチョコ屋だけど例外的にモンブラン。ところがこれが大正解。栗のクリームはいわゆる高品質なモンブランのそれ。一方、内側の生クリームが透き通るような味わいで、雑味が一切なく極めて滑らか。驚いたのは土台のメレンゲ部分。茶色なんですメレンゲが。アーモンドを含んでいるのかなあ。なんとも香ばしい味わいで、パリのアンジェリーナなど楽々飛び越えてくる感激でした。
ドリンクはショコラショのブレジル。ブラジル産カカオのココアです。苦味や酸味が控えめで、トロピカルな果物を想起させる風味。甘みも豊かで親しみやすい味わいでした。
マカロンも悶絶するほど美味しい。まず、香りがいいですよね。カカオがプンプン。生地のしっとり感とクリームのねっとり感が上手に2人3脚できるように設計されているのもお見事です。スイスでもいくつかマカロンを食べたのですが、いずれも首を傾げてしまうものばかりだったので、とりわけ素晴らしく感じました。

こうなってくると、自分で勝手にコース料理を組み立てて、一度本気で食べてみたくなってきた。サラダに始まりスープへと進み、キッシュを楽しみパスタグラタンで〆る。それだけ食べても6,000円ぐらいで済むんですよねたぶん。あ、飲み物どうしよう。伊勢丹新宿店でシャンパーニュは飲んだことがあるからアペリティフならなんとかなるかも。食中酒、どうしよう。

お気楽な悩みを抱えながらお店を出ると列はぐんぐんと伸長中。うーん、ここに居るみんなたちは価値観が似通っていて、人を喜ばせることに無上の幸せを感じる志向なんだろうなあ。飲み会やったら楽しそうだな。来年あたり、声かけてみようかな。


JEAN-PAUL HEVIN 東京ミッドタウン店
昼総合点★★★★ 4.0