舜天(しゅんてん)/ダブルツリーbyヒルトン那覇首里城

2026年再建に向けて急ピッチで修復作業が進む首里城。その城下に佇む「ダブルツリーbyヒルトン那覇首里城」にこの日はお邪魔しました。到着が遅くなり外に食べに出るのも億劫になったので(首里は夜が早い)、ホテル内の中国料理「舜天(しゅんてん)」に飛び込みます。
店内は古き良き昭和のホテル中華といった佇まい。地元の方のビジター利用も多く、奥の個室では宴会が催されていました。料理は広東や四川料理に始まり点心や企画モノまで何でもアリ。万人受けすることを目指したホテルらしいラインナップです。
ゆっくり飲み食いするテンションじゃなかったので飲み物は注文しなかったのですが、サービス(?)で温かいお茶をお出し頂けました。何と気前の良い。東京のスカした中国料理屋であればこれだけで2千円である。
「何でもアリ」と記しましたが野菜料理は「浄炒素菜(国産葉野菜の炒め物)」のみ。沖縄の人は野菜好きじゃないのかな。外食で野菜を楽しむことができるお店が本当に少ない。しかしコチラは厳選された野菜料理だけあって、シャッキリとした歯ごたえに絶妙な塩加減で、バッチリ楽しむことができました。
水煮牛肉。牛肉の四川風煮込みであり、最近では「松屋」が同じ料理を提供し始め、その辛さが話題となりました。当店のそれは辛味は抑えられており、刺激は感じるもののお腹が痛くなるほどではありません。それよりも、フワフワと柔らかい牛肉の質感が心に残りました。
四川辣子鶏。鶏唐揚げと四川唐辛子の香り炒めであり、カリッと揚がった唐揚げに唐辛子の爽やかな香りが忍び寄ります。鼻を抜けるスパイシーな風味がたまらない。ああ、やっぱビールが飲みたくなってきた。
企画モノの蘭州風拉麺。「牛骨出汁の効いたスパイシー香るあっさりラーメン」とのことですが、これはパっとしませんね。新宿の980円の「牛家兄弟 蘭州牛肉麺」に味も量も負けています。「蘭州風」と謙虚な姿勢を示すだけあって麺がダメ。グズグズとした食感で、これであればその辺の沖縄そば屋の麺でも食べたほうが満足度はよっぽど高いでしょう。まあ、企画モノとはこういうものである。
とは言え、これらの料理を2人でシェアし、お会計はひとりあたり5千円ほど。観光地のホテルのレストランで腹いっぱい食べてこの支払金額は悪くありません。国際通りの「ホテル コレクティブ (嘉新酒店)」のダイニングほどは尖ってはいませんが、無難に美味しく高くない、食後感の良いディナーでした。

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