すし初/湯島

数年前までは季節ごとにお邪魔する程度だったのですが、ここのところ月1-2回にペースが上がって参りました。この日は友人の海外赴任が決まったので、その壮行会という位置付けで貸し切りララララ~です。
酒のラインナップはこんな感じ。冷静に振り返ってみると物凄まじい種類と量を飲んでるなあ。黒い而今がキョーイチでした。
皆が揃うまでは秘密の小鉢で繋ぎます。ミスター・パンクチュアルの特権である。うるいの大人の苦みがビールにピッタリです。
さてコースが始まりました。まずはブロッコリーの新芽の天ぷら。柔らかな青い風味が実に爽快。イタリア料理のフリットのようなニュアンスなのも面白い。
カリフラワーのすりながし。こちらもある意味では欧米系の料理のようであり、後述するブッラータ含め料理に係るボーダーが曖昧になってきました。
お刺身第一弾は軽いタッチで。貝類を中心に素材そのものの風味を愉しみます。
肉のような刺身がやってきました。その正体はカツオであり、厚さこそ激しいものの身そのものの味覚は実に清澄。雑味が無く飲み物のように胃袋に落ちていきます。
お刺身第二弾はコッテリと。ブリなど醤油を弾くほどの脂が強く「お前もメタボリックにしてやろうか?」と語り掛けて来るかのようです。
出ましたブッラータ。当店は鮨屋としては珍しくチーズ類を多用し、ある種の芸に近づきつつあります。カニとイクラの旨さは当然として、シャリの酸味と乳製品のコクが不思議と良く合う。
立派なメバルは2人で1匹。骨がツルっと外れて食べ易い。さっぱりとした調味なので、かなりの量なのですがムシャムシャパクパクと勢いよく食べ進めることができます。
シャケかと思いきや、サワラです。先のメバルの穏やかな調味からは一転、かなり攻めた味付けです。味が濃く酒が進むのを通り越し、白ゴハンをもらって定食化してしまいたいほどです。
にぎりに入ります。いきなりエース級のエビちゃんでプレイボール。甲殻類特有の甘味が本当に美味しい。
スミイカもクリアな味わい。悔しいが鷲見玲奈事件を思い出してしまった。
サヨリ。青魚らしい旨味。ややメタリックな風味も感じられアダルトな味わいです。
アジは香りが良く、また微かな脂から来る甘味も心地よい。青魚って美味しいですよね。
中トロ。赤身から脂身にかけてのグラデーションが美しく、その流れに乗った味わいの変化も楽しめます。
巻物は定番化しつつある鰻と奈良漬けのコラボ商品。鰻のパワフルな味わいに、奈良漬けのお酒っぽい味わいがピッタリ。〆の巻物なのに思わず酒に手が伸びてしまいます。

いやあ、今夜も美味しかった。壮行会そっちのけで純粋に楽しんでしまいました。やはり気の置けない仲間たちと酒を片手にワイワイ語り合うのは楽しい。コロナ禍において飲食業は苦境に立たされましたが、一方で、こういったオフラインの場はヒトが精神的に必要とするコンテンツであり、絶対に無くならない産業なんだなとシミジミ考えた夜でした。

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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。