たつや/恵比寿

フレンチやイタリアンなどオシャレなレストランが多いイメージの恵比寿ですが、「吉田類の酒場放浪記」に登場したガチの飲み屋もあったりします。その名は「たつや」。1976年創業の老舗であり、朝8時から翌朝5時までの21時間営業というタフな酒場です。
店内は結構広く、中央に厨房と焼き台があり、その周りをぐるりとカウンターが囲みます。テーブル席もいくつかって、トータルでは40席近くあるのではなかろうか。ちなみに私は平日の15時という謎の時間帯にお邪魔したのですが、何この状況、ほぼ満員じゃないですか。ちなみに地下にも店舗があり、1階が混んでいる場合はソチラに案内されることもあるそうです。
「たつや」と言えばホッピー。3冷すなわちジョッキとホッピーと焼酎それぞれをキンキンに冷やしており、氷を加えてお茶を濁すようなことはしません。1注文1ジョッキであり「ナカ」というシステムも無い男気溢れるホッピーです。ちなみに当店は「黒ホッピー」発祥の地でもあり、焼酎をギネスで割っているお客さんがきっかけとなって「黒ホッピー」が考案され、ホッピーを製造している会社が商品化にまでこぎつけたそうです。
ツマミに参りましょう。まずは「がつ刺し」。たっぷりのネギと共にポン酢とカラシでさっぱりと頂きます。店構えこそハードボイルドですが食材はピカピカで臭みなどは一切ありません。
「もつ煮どうふ」も素材の臭みの有無によって味覚が大きく左右される料理ですが、先のガツに従い独特の匂いなどは殆どなく、濃いめの味噌の風味と相俟ってゴクゴクと飲める一皿です。
盛り合わせ5本。豚の内蔵の部位につき私は詳しくないのですが、おそらくレバーとタンとハツは入っていたはずで、とりわけタンとハツが美味。客単価1万円を超える焼きとん屋のそれを超える味覚です。ちなみに「やきとり」と書いている割に豚やないかい、と思いましたが、『とりとは「肝裏」とかき、「はらのうち」つまりは内蔵をあらわしています。』という説明書きがありました。そうなんだ。
追加で「つくね」。ザクザクと粗目に挽いたつくねが最近の流行ですが、当店のそれは薩摩揚げや蒲鉾などの練り物に近い滑らかなタッチであり、これはこれでありよりのあり。ちなみに単品での注文は2本からで、塩・タレのいずれかを選択します。
以上を食べ、そこそこ飲んでお会計はひとりあたり3千円強。おおー、これはいいですねぇ。渋谷「鳥竹 総本店」を思わせる抜群の費用対効果であり、なるほど真昼間から満員御礼な理由が良くわかりました。長い長い営業時間も遊び人の強い味方であり、0次会から始発待ちまで幅広く活躍できそう。困った時の便利な1軒リストに加えておきましょう。

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