イビサとバスク/vol.6

ビルバオから1時間強のバスの旅。San Sebastián(サン・セバスティアン)へ到着。世界一の美食の街です。人口ひとりあたりのミシュランの星が、世界でダントツに多い。The World's 50 Best Restaurantsにも数多くのレストランがランクインしており向かうところ敵なしです。

もちろん高級レストランに限らず、そこらへんのバルのレベルも異常に高い。もともと山の幸と海の幸に恵まれた地域で、フランスとの国境にも位置しており、美食へと流れていくのは必然だったのかもしれません。

加えて比較的に女性の地位が高い地域らしく、いきおい外食がちとなり、外食産業が活発になり、そこへヌエバ・コッシーナのエッセンスが加わり美食が大爆発したんですって。

ヌエバ・コッシーナとは「新料理」。フランス料理でいうヌーベル・キュイジーヌや中華料理のヌーベル・シノワと概念は同じです。

もともと料理というものは職人芸であり、徒弟制度のもと皿洗いから始まり「技はシェフのもとで丁稚奉公しながら盗んでいけ」というのが暗黙の了解。したがって、料理に係るテクノロジーが一子相伝的となり、何かと何かを掛け合わせた革命、すなわちiPhone的などこにでもある技術を組み合わせたら大ヒットしちゃった系が産まれづらい分野だったのです。

しかしバスクの料理人たちはそのようなスタンスに疑問を持ち、「食のオープンソース化」を進め、互いのレシピや技術を教え合い始めます。そう、シリコンバレーにおいて互いのテクノロジーを見せ合い、協働あるいは競争し、結果的に全体のレベルが上がっちゃったのと同じ。

と、ここまで書いたことを更に詳しく臨場感たっぷりに、高城剛の著書に記されているので、興味を持たれた方は是非ご一読を。また、バスクに関連する書物は意外に多く、特殊な人種なので興味深いですよ。例えばバスク人はシエスタを取らないほど勤勉とか。

ASTORIA 7というホテルにチェックインした後に、ALEXという旧市街の南にあるバルで小腹を満たしてから旧市街へ。

20時30分。太陽も沈みかかり、どこからともなく人々が旧市街に繰り出し始めます。
何かのお祭り期間だったのか、ものすごい人出。まるで先日のクラブのよう。面白いのは皆の目的が食であること。
意外と寿司バルやったらウケるんじゃね?と話していたところ、先を越されました。しかしあまり賑わっておらず。
店に入りきらない人々は、店外で座り込み、飲み食いしています。教会の階段とかで平気に飲食してる。
広場ではちょっとしたステージが。
写真を撮っていると、原住民にからまれる。私の怪しい西語によると「日本の皇帝のヒロ・イトウとアキ・イトウが俺の地元のガリシア地方に来たから君も来るといい」とのこと。昭和天皇と今上天皇のことかなあ。
22:45から花火。ってか開始時刻、遅いよね。
犬たちは音にビビりまくっていました。かわいらしい。

結局、ALEXATARI、TAMBORILの3軒をハシゴ。ちなみにサン・セバスティアンでハシゴをすることは特殊なことではなく、むしろあたりまえの行為。地元の人はハシゴをすることを「ポテオ」と言い、1軒につき酒は1杯、ピンチョスは2つまでに抑え、お気に入りのルートで複数軒、日々バル巡りをするのです。

「イビサとバスク」シリーズ目次
下から上に向かっています。レストランの記事が多いですが、殆どが写真です。


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