竜神バンジー/常陸太田

2014年、日本で最も高所からのバンジージャンプがオープンしました。
これまでの62メートルを大きく更新し、その高さなんと100メートル。マンションだと30階ぐらい。バンジージャンプが盛んな国であるニュージーランドのバンジー会社(?)が日本にて運営。

私はお化けは苦手なのですが、高さやスピードについては不感症。これまでスカイダイビングマジックマウンテン、大磯ロングビーチの飛び込み台でも、まあこんなもんか、ぐらいにしか思えなかった。

さらなるスリルを求めて、人生初のバンジージャンプへ!
モータースポーツ界に属し、世界を駆け巡る友人と共に、いざ茨城県常陸太田市へ。スイス土産にレダラッハのチョコ。嬉しいですねこういう唐突なプレゼント。

東京から当地までの移動は快適そのものでした。運転技術もさることながら、やはりドイツ車のクルージングは安定感があります。「そもそも毎日数百キロを数百キロで移動する前提で設計されているから日本車とは根本的に思想が違う。長距離を走ってこそドイツ車」とのこと。なるほど。
竜神大吊橋に到着。意外にも観光客が多く、バンジーだけじゃないんです。
受付へ。赤フンがいました。結婚式の新郎サプライズビデオ撮影に来たとのこと。
タブレットを用いて保険の契約を行い、
係員にハーネスを装着して頂きます。
ハーネスを着けたまま体重を測り、しっかりと記録。
体重によって宙吊りゴムを替えるので、とにかく間違いがないように、油性ペンで手の甲にも記録。まるで囚人のようである。
よくある土産物屋とレストランがあり、
飛ぶ側の気持ちなどつゆ知らず、間抜けなメニューをご提供。
ちなみに竜神大吊橋は、竜神峡に架かる観光用の歩行者専用橋です。交通としての機能は全くなく、通行料金が安い上に訪れる客も少ないため、大赤字な観光スポット。税金の無駄遣いの代表と各種メディアで槍玉にあげられています。
確かに景色を見るためだけにこの橋は大げさかもしれない。
た、高い。。。
スカイダイビングと異なり、色々と想像できる高さなのが恐怖を掻き立てる。
バンジーなど無ければ風光明媚な場所なのに。ハーネスをつけながら橋を歩くので、ものすごく目立つ。他の観光客からの「お金払って恐怖を買うだなんて信じられない。よくやるよ」という無遠慮な視線にさらされる。
謎の鐘があり、
100円入れたら鳴るとのこと。こういうビジネスセンスって病気ですよね。
恐怖のあまり、少しだけガンダムに見えた。
橋の脇から橋下の特別スペースへ。
ジャンプ台付近の係員は外人だらけ。ニュージーランド本国の従業員なのかなあ。
すごくやめてほしいこういうの。
係員の方がしっかりと足に固定具を装着して下さいます。
飛び方指導。からまらないようにするためか、なるべく遠くに飛べとのこと。後ろ向きでもOKですって。さらに当バンジーは、あまりに高いため、飛び終わった後は下に降ろすわけではなく、ウインチで再び上まで引き上げるのです。したがって、飛び終えた後にもセルフでしなければならない作業が色々ある。
飛び降りたのち、宙吊りのままびよーんびよーんと2往復したら、足下にあるヒモを根元から右側に思い切り引っ張る。そうすることで宙吊りから地面と平行仰向け状態へと遷移します。アメイジングスパイダーマン2の最後らへんでこんな感じで人が死んでたのを思い出す。
その後、橋から引き上げるためのワイヤが降りてくるので、自分でそのワイヤを身体に装着して、橋に向かって準備OKサインを出す。飛び降りた直後、地上数十メートルでヒモ一本でつながっているのみの状態で、これら一連の作業をせよというのは中々に要求が高い。
飛ぶ直前。カラ元気を装ってはいますが、完全に腰が引けています。
あからさまに姿勢が悪い。
事務所が顔出しNGのため黒塗りしていますが、ものすごく遠い目をしていますこの写真。0.1秒だけ「リタイヤしようかな」という思いが頭をよぎる。
唐突に外人がヘタな日本語で「ゴ、ヨン、サン、ニ、イチ!バンジーふぉぉおー!」と叫ぶので何かが吹っ切れました。
自分としては水泳選手のようにぴょーんと飛んでるつもりが
ただの腰砕けである。
ゴムが長すぎるため、係員が冷静に落下状況を見ながら送り出しているのですね。
私は近視なのですが、なんかこのときは眼が良くなって、色々とはっきり見えた気がする。
色々開いて完全にガニ股。
自動的に「ウォー!!」とか叫んでしまう。
紐のたるみ具合が長さを物語っていますね。
ようやく「かっこよく飛ばなきゃ」という意識が芽生え、フォーム修正。
最下部へ到着。この間、体感的に2~3秒。人間ってこんなに速く落ちちゃうんだ。
「シュルシュルシュルル」という、ゴムが伸縮する音が聞こえてなんとも不気味。
足下のヒモを外すのに手間取り「間違って違うヒモ外して落ちちゃったらどうしよう」の恐怖。かつ、橋からワイヤが降りてくるのに意外と時間がかかるので、スリルは続く。橋および空を見上げていれば怖くはないのですが、手持ち無沙汰なのでつい下をチラ見してしまうと、やっぱ高い。怖い。
結構なスピードで引き上げられる。最後、この枠にぶつかるんじゃないかと余計な怖さもあります。
なんとか作り笑顔で帰還。

いやー、怖かった。これまでのアトラクションで一番、そしてダントツに恐ろしかった。他のお客さんも、わざわざ東京から3時間かけて訪れ、1ジャンプ14,000円という決して安くない値段を払うぐらいなので、絶叫系不感症の猛者揃いなのすが、それでも皆一様に「これは怖い」と唸っていました。

身の危険を感じてアドレナリンやらインスリンやらようわからんホルモンが多量に分泌されるのか、終わった後は異常にハイテンション。池袋あたりで同じテンションだと確実に脱法ドラッグをキメてると取り違えられそう。

それでも、やって良かった。14,000円支払う価値はアリ。むしろ安いぐらい。なにかこう、ものすごく前向きに、ポジティブな考え方になります。「バンジーごときでそんなことないだろう」と読者の皆様は懐疑的だと思いますが、飛んだ人はこの感覚、わかってくれるはず。「うおーもう怖いもんなんてないぜー!」と叫ぶぐらい、不思議な全知全能感を得ることができますよ。冗談抜きで。

マラソンの気持ちよさはランナーにしかわからないのと同様、バンジーの気持ちよさは飛んだ人にしかわからないと思います。いやー気持ちよかった。もっぺんやりたい。今度は世界一の
ロイヤル・ゴージ・ブリッジ(コロラド州)にチャレンジしよう。東京タワーと同等の321mうひょー!


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絶叫系が得意です。絶叫体験をまとめました。