太陽カレー/西院(京都)

関西はスパイスリッチなカレー屋が多いのですが、京都においてトップクラスの人気を誇る「太陽カレー」はかなり独特。シェフはソムリエでもあり、ワインに合うカレーを提案し、その唯一無二の魅力に魅かれて多くの客が開店前から列をなします。私は開店時間にピッタリに到着したのですが、既に10人以上の待ち人がいました。場所は西院駅を出てすぐ。食べログでは百名店に選出されています。
カレーという料理は回転が良いのか、行列の長さほど待ちませんでした。またカレー屋としては珍しく子供の入店をお断りしており、スピーディーな客席まわしの一因となっているかもしれません。レセプショニストの客さばきも見ていて気持ち良いです。
生ハムサラダは300円。野菜は瑞々しく量もしっかりあって、質を考えれば実にお値打ち。やっぱり雑なサラダをオマケで出すのではなく、きちんとした料理をきちんと料金を取って提供するのがいちばん。
私は「とろとろ牛すじ煮と有機野菜のカレー」を注文。1,100円のところ、豚ロースかつのトッピング250円にルゥのみ大盛り100円にして、1,450円です。

辛さは標準の「旨辛」を選択。一見は欧風カレーであるもののスパイスが豊かに溶け込んでいます。一方でワインもたっぷりと用いているそうで、いわゆるカレーというよりはスパイシーなワイン煮込みといった表現のほうが正しいかもしれません。オリヴィエ・ロドリゲスの「クーリシャス」に似た方向性を感じました。
お米は「八代目儀兵衛厳選米」という高級品を用いており、こちらは白ワインを用いて炊いているそうです。お米の粒が大きく弾力性と粘性が感じられ、風味の強いカレーソースにピッタリです。
野菜は大原の有機野菜を中心に構築されており、この日はプチヴェール、なす、むらさき人参、かぶ、赤かぶ、水菜、エシャロットといったラインナップ。野菜そのものの味が濃く野菜料理として美味しい。ソースにふくよかな酸味も感じられたので、トマトも溶け込んでいるかもしれません。
豚ロースかつはプラス250円とは考えられないほどのボリューム感であり、衣がしっとりとソースを吸ってとても美味しい。他方、牛すじはソースに溶け込んでいる感が強く、物理的に牛すじだ!という印象は強くなかった。忍の牛筋である。
以上を食べ、お会計は1,750円。ランチのカレーと考えれば中々の支払い金額ですが、これはもう、純粋にカレーというジャンルに当てはめて捉えるべきではなく、何かもう少し高尚な食事のように感じました。

時期によってはエビフライやカキフライなどもあるそうで、何度も通い詰めて制覇したくなる。旅行者はわざわざ京都に来てまでカレー?かもしませんが、そこを敢えて訪れても全く後悔する余地のない、オンリーワンのカレーでした。

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