手打ちうどん 新富(しんとみ)/丸岡(福井)

福井県で一番のうどん屋として名高い「手打ちうどん 新富(しんとみ)」。「うどんとしては型破りの太麺でコシが異常に強い」という噂を聞きつけ、福井県立恐竜博物館への道中に立ち寄らせて頂きました。国道8号線沿いにあり、駐車場も広いのでレンタカーで訪れましょう。
お店はかなり広く、我々が案内されたテーブルゾーンに厨房に沿ったカウンター席、小上がり席といった陣容です。土曜日の開店20分前に訪れ当然にポールポジションを獲得したのですが、その数分後には続々とシャッター族の列が延び始め、開店と同時に1巡目が全て埋まるという具合です。
さっそく人気の「天ざる」を注文。なのですが、あれ?思ったよりも麺は太くありません。もちろん一般的なうどんよりも太目ではありますが、讃岐あたりでは中くらいといったレベルであり、王者「山元麺蔵 (やまもとめんぞう)」と比べるとどうしても見劣りしてしまいます。
海老天は衣が薄目でサックリと揚がっており、スナック菓子のような食感です。うどんを含めて普通に美味しいのですが、福井で一番と聞いてお邪魔したので肩透かしを食った形です。でもまあ、1,150円の天ざると考えれば美味しい部類に入るでしょう。
温かいうどんも試しましょう。「玉子とじうどん」は700円。出汁はやや甘めでパンチがあり、卵の風味でマイルドに仕上げています。優しい味覚で、先の天ざるよりもオリジナリティを感じました。
「肉うどん」は930円。「玉子とじうどん」よりも甘味に拍車がかかっており、味の良く沁みた若狭牛との相性が抜群です。個人的には当店は冷たいうどんよりも温かいうどんのほうが印象に残りました。
というわけで、美味しいは美味しいのですが、(実際そうなのかもしれませんが)「福井で一番」のように喧伝する必要はなく、日常に溶け込むキャンメイクのような位置づけのうどんでした。やはり福井は蕎麦文化圏なので、うどんの立ち位置は色々と難しいのかもしれません。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。