ななほし食堂/首里(那覇)

首里駅から歩いて5分ほどの場所にある「ななほし食堂」。那覇の地元民きっての人気食堂であり、首里城の近くという立地もあって観光客の立ち寄りも多いお店です。沖縄で食堂というと今にも朽ちかけそうで入店に躊躇するお店が多いですが、当店は明るくヘルシーな建屋であり、沖縄風カフェのような外観です。
我々は平日のオープン直後にお邪魔したのですが既に満席。ファミレス形式の記帳台に名前を記入するのですが、この時点で5組待ち。食堂で5組待ちならすぐだろうと高を括っていたのですが、家族連れが妙に多く回転が異常に悪いので、着席までに1時間近くを要しました。おひとり様であれば専用のカウンター席が用意されており、列をすっ飛ばして案内されるので、ひとりで訪れるのが優勝です。また駐車場の台数が極めて少なくコインパーキングも期待はできないので、公共交通機関で訪れるほうが確実でしょう。
店内は清く正しく美しく、沖縄の食堂の概念を覆すクリーンさです。ボックスシートや座敷もあって、なるほどこれが家族連れに人気の理由なのでしょう。音楽はEDM→K-POP→90年代映画テーマ曲と、とりとめのない選曲でした。
私は「肉野菜ちゃんぷる~」を注文。とんでもないボリュームながら780円と信じがたい価格設定です。
肉野菜ちゃんぷる~の部。沖縄の食堂のちゃんぷる~は雑な火入れで発色が悪いことが多いのですが、当店はオレンジならオレンジ、グリーンならグリーンと食材の色合いがハッキリと残っており、まるで腕の良い中華料理店の炒め物のよう。味も量も申し分なく、普通の食欲の成人男子であれば間違いなく満腹になることができるでしょう。
+200円でトッピングした「とんかつ」。トッピングと言いつつ別皿での登場であり、このサイズ感で200円というのは異例を通り越して異常でしょう。肉を叩いて薄くのばし、下味をしっかりつけて揚げる沖縄スタイルであり、もうこれだけで立派なオカズです。
調子に乗って+90円の目玉焼きもお願いしました。こちらも別皿での登場で、程よく半熟の卵黄をソースのように肉野菜に混ぜ合わせ至福のひととき。
当店のスペシャリテの「ゆし豆腐」。最初はアラカルトで注文しようとしたのですが、「それだと量が多すぎるから定食の味噌汁をゆし豆腐に替えてあげる」との申し出に私歓喜。強烈なカツオ出汁の旨味にガシっとした食感の豆腐。豆そのもののの味が濃い。
ちなみに当店の豆腐は全て自家製の手作りであり、結構な数のゲストが食後にお土産として買って帰っています。先の肉野菜ちゃんぷる~に入っていた豆腐は揚げた衣がついており揚げ出し豆腐的な楽しみ方もあって、つまり、豆腐系のメニューがオススメです。
ライスは山盛りサイズでの提供で、一般的な定食屋の大盛よりも多いかもしれません。普通の食欲の女性は小サイズでお願いしたほうが良いでしょう。
連れは「ゴーヤーちゃんぷる~」を注文。やはり色鮮やかな調理であり、それぞれの食材の食感も活きています。連れは一般の女性よりも食欲旺盛なのですが、それでも3分の1ほどは食べ切れず、残る全てを私が引き受けました。ちなみに食べきれなかった分の持ち帰りもOKで、有料で持ち帰り用の容器も用意してくれます。
素晴らしい食堂でした。沖縄における食堂としては人生イチの食後感であり、友人から「沖縄っぽいお店ない?」と聞かれればいの一番に勧めたいお店です。旅行者は国際通りのヘンな居酒屋でなく、太陽の高いうちに当店に来るべきである。酒もあるぞ。

ちなみに近所に「あやぐ食堂」というのもあって、当店の親族(というか「あやぐ食堂」が先)が営業しており、コチラは昔ながらのハードボイルドな食堂だそうです。望むところである。

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沖縄通を気取るなら必ず読んでおくべき、大迫力の一冊。米軍統治時代は決して歴史のお話ではなく、今の今まで地続きで繋がっていることが良くます。米軍の倉庫からかっぱらいを続ける悪ガキたちが警官になり、教師になり、ヤクザになり、そしてテロリストへ。沖縄戦後史の重要な事件を織り交ぜながら展開する圧巻のストーリー構成。オススメです。