香福味坊(こうふくあじぼう)/秋葉原

味坊集団の新店は秋葉原。駅すぐそばでアクセス抜群。営業時間は朝7時〜深夜5時と、「マルシン飯店」を凌駕するタフさです。私は味坊集団のお店が好きで、「味坊」「羊香味坊」「香辣里」に続いて4店舗目への訪問です。
地下に広がる100席を超える大箱。20人以上入れる個室もあって、屈託を抱えた日々を送り続ける貧乏そうなリーマンの宴会場と化しています。すげえうるさい。他方、予約ナシでもOKなのがいいですね。1人客も結構いました。
酒は安く、ビールは中ビンで650円だったかな。紹興酒の飲み放題は千円で、レジ近くの甕からセルフで汲みに行くのが面白い。自然に店内は酔っ払いだらけなので、騒音に囲まれることは覚悟して訪れましょう。
味坊集団の代名詞とも言うべき羊肉で幕開け。串に刺さってカリっと焼かれており、アミューズに最適なひと口です。
揚げ茄子が思いのほか美味しい。ザックリと大振りにカットされ、たっぷりと衣をまとってどっぷりと揚げます。何ともジューシーな味覚です。
パクチーサラダはパクチーだけでなく、様々な緑系野菜が詰まっています。この独特の調味は日本人には表現できません。
よだれ鶏はバリ辛い。見た目は穏やかなのですが、底に溜まった赤いタレがバリ辛く、この日一番ホットなトピックでした。汗のダラダラが止まらない。
水餃子は別に普通でした。不味くはないのですが、旨くも。敢えて当店で注文する必要は無いでしょう。
ラム肉がたっぷり入った麻婆豆腐も、ラム肉そのものは旨く量もしっかりしているのですが、ベースの麻婆豆腐の部分がコンパクトな味わいで複雑味に欠けます。
「発酵酸湯魚羊煮」という読み方がわからない料理ですが、字面の通りお魚と羊肉が入った酸味のあるスープ。発酵由来の深みのあるスープが心地よく、お魚の優しい味わいと羊肉のパンチのある肉肉しさの対比が面白い。当店を象徴する味覚であり、新しい味覚への探求心が強い方は必ず注文しましょう。
〆のお食事はチャーハン。なのですが、米に覆いかぶさるようにしてトッピングされるラム肉の存在感がつよつよです。チャーハンながらステーキ1枚分以上の肉量であり流石に腹パン。ごちそうさまでした。
はち切れるほど食べて、軽く飲んで(食事が多いのでそんなに飲めない)お会計は4千円ほど。うひょー、何と素晴らしい費用対効果でしょう。「ShinoiS(シノワ)」のようにエレガントな中華料理とは対極に位置する雑な食事であり、まさに飲み会といった雰囲気のレストラン。気の置けない友人や会社の同僚たちど共に、どんちゃん騒ぎ目的に訪れましょう。

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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。
本場志向で日本人の味覚に忖度しない中華料理が食べたいかた必読の書。東京の、中国人が中国人を相手にしている飲食店ばかりが取り上げられています。客に日本人は殆どいないのですが、コロナ禍で海外に行けない今、ある意味では海外旅行と同じ体験ができる裏技が盛りだくさん。