鮨いずみ/高岳(名古屋)

三河の地魚を中心に取り扱う「鮨いずみ」。東京の方にはあまり名は知られていませんが、食べログでは百名店に選出されています。
入店してガックリ。他のお客は全てが同伴スタイルもしくは女子がセミプロ~ハイアマチュア路線であり、誰も真面目に鮨を食べに来ていないように私の目には映りました。なるほどそういうお店でしたか。

洙田幸隆シェフはお父様も鮨職人。大阪は北新地での修行を皮切りに、29歳という若さで当店の付け場を任されています。
まずはホタテ。最初の第一歩としてはボリュームがあってモリモリ食べれて私嬉しい。少し甘めのソースが印象的。
お造りはカツオにヒラメ。カツオは密度が高く重量級の味わい。他方、ヒラメはじっとりとした旨味があって美味。
タイラガイを磯辺焼き風に。ムシャムシャとした食感を楽しみつつ、海苔のパリっとした香りに食欲が刺激されます。
キンメダイの味噌漬け。ギュウギュウに旨味が詰まっており、酒が兎の登り坂。
アワビとトウモロコシの天ぷら。気前の良いカットであり、グニャっとした食感を心ゆくまで楽しめます。隣の客がおしゃべりに夢中で10分以上放置しているのが気になって仕方が無い。目を盗んでつまんでもバレんかったかな。
茶碗蒸しはアツゥイ。私の短くない人生で最も熱かった茶碗蒸しであり、熱すぎて味わいはよくわかりませんでした。
鳥取のトロ。気韻のある酸味が鼻腔をくすぐりかなり旨いタネでした。
コハダは時期的なものでしょうが、ざっくりと大味でイマイチ。
クロムツは軽く炙って甘味が増す。
今度は赤身でやはり美味しい。今夜はマグロがアタリの日かもしれません。
シロアマダイを蒸し寿司で。
エビにつき、先の蒸し寿司から謎に20分以上待たされてかなりイラつきます。大将おひとりで全てのゲストを回し、また、ウォータービジネス客特有に「オミヤ」を遠慮なく注文するので、つけ場は完全にまわっていませんでした。
イワシはコッテリとした脂がジットリと上手く心に残りました。
先のエビの頭の味噌で酒を進めつつ
ケンサキイカのウニ挟み、キャビア乗せ。もちろん美味しいのですが味がごちゃついて勿体ない。別々に食べたい。
つぶ貝はゴリっとした食感で私好み。ちょっとした海苔使いで磯の香りを添加するのもグッドです。
 ギョクに特長はなく一般的な味わいです。
お椀は赤味噌バリバリの名古屋スタイル。悪くはないのですが、せっかく鮨屋に来ているのだから魚介の旨味が感じられるものが良かった。
アナゴは塩とツメを食べ比べ。フワっと仕上がり結構、いやかなり美味しいです。
〆の手巻きは梅と鰹節。やはり海苔が多めの味覚であり、大将は海苔が好きなんかな。私も好きです。
お会計は2万円強。中々に美味しく量もあり、悪くない価格設定です。しかしながら冒頭記した通りの客層であり、誰も真面目に鮨を食べていないので、皆でカウンターを囲んでワアっと盛り上がる一体感が欠落しているのが残念。

鮨屋に集ってはいるが、それぞれ目的は別のところにある。せっかく美味しい鮨をにぎっているのに大将が気の毒に思えました。

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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。