一芳園(いっぽうえん)/大沼(北海道)

函館から国道5号線を北上し、大沼公園脇を通り過ぎたあたりに登場する怪しげな看板。このおっちゃん誰や。
冒頭の軽トラを左に折れ、500メートルほど進み看板に誘われ更に右折すると現れる山小屋。熊本の「ろばたやき山ろく」のような風格を感じます。
店構えに不似合いな、謎に身なりがきちんとした美魔女の案内を受け席に着く。聞くとこの地で50年以上営業を続けているそうな。
熱源は囲炉裏の炭火、空調は扇風機。開業当初からこのメカニズムは変わってないんだろうとしみじみしていると、客が来るたびに肉を解凍しているのか厨房の電子レンジがチンチン鳴り響き苦笑い。
ジンギスカンの2人前が到着。1人前は1,200円でこのボリューム感。札幌あたりの観光客向けジンギスカン屋は反省して欲しいところです。
野菜の量も激しい。女性であれば1人前を食べるだけで充分かもしれません。
私の理解においてジンギスカンとは、タレに漬けこまれた羊肉を乱暴に焼き、流れ出る肉汁とタレで野菜を煮るものだったのですが、当店のそれは肉がタレに漬けこまれておらず、どちらかというと一般的な焼肉のような運用です。
肉を追加。豚バラ肉は800円。カッチンカッチンに凍っており肉質もそれなりですが、この量で800円なのだから多くは望むまい。
やげんは上手く解凍されており、中々に瑞々しくて美味。最初にこれを焼いて塩コショウで食べれば良かったかな。ちなみにこのひと皿で600円。
運転があるのでお酒は飲まず、ひたすら肉と野菜を食べ続け、お会計はひとりあたり2千円を切りました。うひょー、これは安い!値段が値段なだけに味わいはそれなりですが、みんなで汗みずくになって焼きながらワイワイやる愉しみは何物にも代えがたい。大沼公園に遊びに来た際に是非どうぞ。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。