たか田八祥(たかだはっしょう)/岐阜駅

岐阜屈指の日本料理店「たか田八祥(たかだはっしょう)」。ミシュランでは1ツ星、食べログではブロンズメダルを獲得し、百名店にも選出されています(画像は公式ウェブサイトより)。三田「晴山(せいざん)」や西麻布「大竹」など、日本料理の旗手を多数輩出してきたことでも有名です。
いわゆる料亭であり全てが個室。畳敷きではありますが椅子やテーブルも用意されているので、外国人をお連れするにも良いでしょう。

高田晴之シェフはたか田八祥グループ5店舗を統べつつ、調理学校の講師も引き受けるなど日本料理界の重鎮です。
まずはカニにずいき、フルーツトマトなど。これはまあ、カニとすいきとフルーツトマトの味がしました。
スッポンのしんじょうにネギ餅。このお椀はべらぼうに美味しいですねえ。生姜のスパイシーな香りが食欲をそそり、スッポンの逞しい味わいに心を奪われる。ネギ餅という料理は初めて食べましたが、大根餅のネギ版といった味わいでありネギ好きには堪らない味覚です。
お造りはマグロにイカにヒラメ。ヒラメのじっとりとした味わいが印象的でしたが、美味しいだけに1枚しかないのが悔やまれる。
素麺は僅か0.3ミリという細さ。糸もずくというか何というか、あまりに細すぎて逆にまとまって個体のようになっているのが面白かった。
焼き物は太刀魚。ベーシックな仕様です。
スペシャリテの「じゃがいものハリハリ」。シャキシャキとした食感で楽しいのですが、これはひとつの料理として提供するものなのだろうか。
トウガンの煮物。オマケでエビも入っています。序盤のお椀の際にも思いましたが、当店はこういった汁物がとても美味しいと感じます。
お食事はスペシャリテの「生海苔茶漬け」。このお茶漬けは美味しいですねえ。海苔がこれでもかこれでもかとぶち込まれており、その圧倒的な磯の香りに心が揺さぶられます。チョイチョイお魚の身が隠れているのも嬉しい。
季節のフルーツと大葉のアイスクリームで〆てごちそうさまでした。

マンボウ中でお酒が飲めなかったため、お会計はひとりあたり1.3万円ほどに落ち着きました。東海地方で名を馳せる料亭で一通り食べてこの価格というのは悪くない。一方で、あくまで料亭という位置づけなので、割烹的なライブ感などはなくデートで行ったりグルメ仲間と美食を堪能しに行く、という雰囲気ではないかもしれません。接待や親族の集まりにどうぞ。

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