瓦そば専門店 瓦(ぐらむ)/芝公園


「瓦そば」をご存知ですか?山口県下関市発祥の麺料理であり、チンチンに熱した瓦の上に茶そばと具材を載せて、温かいめんつゆで食べる料理です。「逃げるは恥だが役に立つ」で登場し一気にスターダムへのし上がりました。
もともとは1961年に川棚温泉で旅館を営む高瀬慎一が宿泊者向けの料理として開発し(西南戦争の際に薩摩軍の兵士たちが野戦の合間に瓦を使って野草、肉などを焼いて食べたという話に参考にしたそうな)、「川棚温泉の名物料理」から「山口県民のソウルフード」にまで格上げされました。
山口県内では家庭向けに蒸した茶そばとつゆのセットがスーパーマーケットなどで売られており、瓦の代わりにホットプレートでみんなで囲んで食べるそうです。
さて当店はその瓦そばの専門店。芝公園駅から歩いて5~6分、世界一美味しいハンバーガー屋である「マンチズ バーガー シャック」のすぐ近く。狭い店であるためピークタイムでは少し並びます。
調理場すぐ近くのアリーナ席をゲット。ゴウゴウと火を立てながら瓦が空焚きされているのが見て取れます。ちなみに入り口すぐ近くには自家製麺を作るための機械がディスプレイされていました。
瓦そばに馴染みのない我々のために指南書が掲げられています。生卵がこぼれないように野菜で土手を作ったりする点はもんじゃ焼きに似ています。ちなみに私は初めてお邪魔するくせに、スタンダードナンバーである「瓦そば」ではなく、「濃厚胡麻坦々瓦そば」を注文。プラス150円で野菜増しにしてもらいました。
注文後すぐに提供される「濃厚胡麻坦々瓦そば」。茹で時間の短い麺を瓦の上に並べ、トッピングをわしゃわしゃと重ねていくシステムです。奇妙なクリスマスツリーのような造形であり、間違いなく今までに出会ったことのない料理です。
土砂崩れが生じないよう、慎重に慎重を重ねて瓦の上に具材を広げていきます。広島風お好み焼きよろしく麺がパリパリと焼けていき、野菜が多い茶そばの焼きそばのような料理ですね。味はまあ、普通です。蕎麦の割には香りに乏しく、焼きそばの割には最近の流行りのような弾力が無く、どっちつかずな料理に感じました。
つけ汁も決して不味くはないのですが、よくあるつけ麺屋の坦々つけ麺的な味わい。茶そばと特に合うというわけでもありません。
味変用に無料の生卵を頂きました。続いて終盤に固まった麺をゴッソリ投入。見た目は斬新ですが、味は凡庸です。
コンセプトとしては面白いのですが、純粋な味覚としてはどうでしょう。最初だからもっとベーシックなメニューを選ぶべきだったのかなあ。

SNS全盛の現代、フォトジェニックな点において集客は見込めるとは思いますが、1回写真撮って終わりな客も多いのではないでしょうか。麺そのものを味わいや、つけ汁のクオリティがさらに高まることを期待したいと思います。


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