神田ワイン食堂パパン/小川町

PAPIN。小川町の路地裏にある気楽なビストロです。
路地に面して結構な席数のカウンターがあります。予約時間よりも早めに到着したのでコチラで時間をつぶす。
外飲み用のメニュー。店内よりも少し安めの価格設定。初夏にここでビールなんか飲んだら最高だろうな、と妄想していると、「ねえ、今度、夏に来ようよ」と連れも全く同じことを考えていた模様。
先客が捌けました。壁一面のワインボトルが目を引きます。客のほとんどは30代。女子会使いにも良さそうなお店。
食事メニュー。興味深い料理がいくつかあったのですが、松記鶏飯でシンガポール料理を堪能してきたばかりなので、簡単なツマミを注文するに留めます。
泡のロゼで乾杯。「ねえ、タラレバ娘、観てる?」と、また聞かれました。そんなに流行しているのなら、一度観てみようかなあ。「マンガのほうがもっと描写がエグくて良いよ」とのことだったので、誰か全巻持ってる人連絡下さい遊びに行きます。
パテ・ド・カンパーニュが望外に特大ポーション。肉は極めて細挽き。私は粗挽き至上主義なので、少し滑らか過ぎるように感じました。

「あたし、ちゃんと結婚できるのかなあ」と目を伏せる彼女。結婚できずに悩むこともあれば、結婚してから悩むことも多い。人生は試練の連続だ。
パンは美味しそうな見栄えだったのですが、満腹だったので手を付けず。無念なり。

シンガポールかあ、アジアのリゾート、行きたいなあ。昔、友達何人かでダイビングに行ってさ、夜は貸し切ったコテージのプールでワインを浴びるように飲んだの。あたし、あの頃が一番幸せだったから」
チーズの盛り合わせを小さなポーションで用意して頂きました。カマンベール・ド・ノルマンディを洗ったチーズはハッキリとした香りと味わいでワインを呼ぶ。テット・ド・モワンヌは安定した味わいで外さない。ゴルゴンゾーラを裏ごししたチーズにドライフルーツを混ぜ込みブリに詰め込んだ創作チーズが秀逸。面白い発想であり、程よい甘みが心に響き、白ワインにピッタリです。

「あたし、意外と酒が弱い男と付き合うほうが素敵な人生を歩めるかもしれない。相手まで飲めちゃうと、歯止めがまったくかからなくて」その気持ちが痛いほどよく分かる。妻がそれほど酒に強くなくて助かった。
グラスでカリフォルニアの白。もっとボリューム感のある樽香を期待していたのですが、思いの外あっさりとした香りでした。一方でレトロネーザルにはバナナなどのトロピカルな果物が立ち上り、なるほど新世界の白と納得のいく味わいです。

ちなみに当店のグラスワインは4杯取り(1杯180ml)と大盤振る舞い。たっぷり飲めるお友達と楽しみましょう。
その後私はアルゼンチンのマルベックとボルドーを1杯づつ頂きました。彼女も赤を飲もうと身を乗り出した際、何飲むか当ててみせるよ、南仏のグルナッシュだ、と予言する。「そりゃ当てられるわよ、あなたと私の仲じゃない」

今年もフランスで一緒に飲めるといいね、また時期を合わせよう、と指切りげんまん。希望とは未来の現実。今年も夢を結実した葡萄畑が我々を待っている。


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神田は良い街です。東京駅すぐ近くと至便であるのにも関わらず、5,000円も出せばしっかりと飲み食いができるお店が多い。気長に開拓していきたいと思います。

月刊『散歩の達人』のハンディ版。チャラついていない大人向けの硬派なガイドです。地図が解かり易く名所旧跡の紹介もしっかり。神田周辺をお散歩する際には是非。

神田ワイン食堂パパン