タシケントの商業と娯楽の中心地、ハドラ地区にある人気のレストラン「Xadra milliy taomlar (ハドラ ミッリィ タオムラル、Хадра миллий таомлар)」。四捨五入すると火事ぐらいの勢いで肉を焼いている煙が目印です。
店名は「国民食・伝統料理」という意味であり、ゲストの殆どが地元の方々。取り扱う料理も伝統的な家庭料理や郷土料理が殆どです。こちらは「クザ・ショルヴァ(Ko'za sho'rva)」と言って、ウズベク語で「壺のスープ」を意味します。ウズベキスタンの伝統料理であり、当店のスペシャリテです。 着席するまでのアプローチで調理中の料理がガンガン見えるのが良いですねえ。偶然の演出かもしれませんが、あれはなんだろう、これも美味しそうと食欲がムクムクと沸いてきます。
基本ルールは着席し、スタッフが注文取りに来て、料理が整い次第に配膳されるという当たり前のスタイルなのですが、とにかくスタッフの数が少なく注文をするにもスタッフ争奪戦状態。「あ!あいつ暇そうだ!」と思いっきり手を振ると一般客だったりして難解。気合を入れてスタッフを捕まえないと一生注文できないので頑張りましょう。
注文は写真付きのメニューがあるのでカンタンです。ちなみに「いつまで待たせるんじゃぐらぁあ!」とブチ切れている厄介そうなテーブルにはスタッフは意図的に寄り付かず、無視無視無視無視カブトムシなので、人間力が試されます。なお、我々はニコニコと皇族のような微笑みを浮かべながらスタッフに手を振り続けたため、「もっと他に注文する?」「味は大丈夫だった?」と何度も気にかけてくれ対応は手厚かったです。私の愛嬌は世界基準なのだ。
フルーツやハーブを主体としたお茶。紅茶をベースに新鮮な果物を加えているのが特長です。黙っていると死ぬほど砂糖をぶちこまれる可能性があるので、普通の日本人であれば「ノーシュガー」と何度も念押しすると良いでしょう。
グーグルレンズで即時翻訳したところ「男性のわがまま」という謎サラダがあったので興味本位で注文したのですが、これは野菜というよりも肉や卵を主役にしたプロテイン系の料理ですね。味は悪くないのですが、思っていたのとだいぶ違う。サラダにも色々あるのだ。
冒頭にも触れた看板メニューの「クザ・ショルヴァ(Ko'za sho'rva)」。一人前ずつの小さな陶器の壺の中に具材を閉じ込め、長い時間をかけてガンガンに煮詰めるスープです。具材は肉にジャガイモ、ニンジン、タマネギ。素材の味そのものが濃いので、調味もごくごくシンプルです。
こちらは「コウルマ・ラグモン(Qovurma Lagmon)」。ウズベキスタンの伝統的な焼きうどん風の麺料理です。スープ仕立てのラグモンも多いですが、私はフライドスタイルのほうが好み。サマルカンドの「Emirhan Restaurant(エミールハン レストラン)」のそれに比べるとスパイシーで肉々しく、トスカーナ発祥の太くてモチモチした手打ちパスタ「ピチ」をニンニクとスパイスを効かせたボロネーゼで食べるような味覚です。これは日本人が絶対に好きな味。
注文の難易度は中々に高く、語学力というよりは人間力が試されるレストラン。しかしながら以上の注文の総額が2千円強で最高かよ。お会計もどんどん順番を抜かそうとしてくるので、きちんと目を見て、「俺が先に並んでたの、知ってるだろ?」と目で訴えかけるのが重要です。きちんと主張しましょう。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。









