Sim Sim(シム シム、Сим Сим)/タシケント(ウズベキスタン)

タシケントのヤッカサライ地区の主要幹線道路「ムキミ通り」沿いに位置する「Sim Sim(シム シム、Сим Сим)」。大通りに面した大型店舗であり、専用の駐車場も完備されており、タシケントの富裕層が自家用車で訪れる「エリート・レストラン」として位置付けられています。
店内は体育館のように広く、結婚式場のような華やかな装飾に圧倒されます。いわゆるウズベク風宮殿の内装で、手描きの壁画・天井、彫刻入りの木製柱・階段、シャンデリア、伝統的なアーチやタイル細工が施されています。エキゾチックでエクレクティックである。
ビールやワイン、カクテルなどのアルコールの用意もあります。こちらは色んなハーブやフルーツが入った温かいお茶であり、フルーツの自然な甘みと酸味がじんわりと広がり、後からハーブの清涼感が鼻を抜けます。そのまま注文すると死ぬほど砂糖を入れられるので注文時に「ノーシュガー!」と絶叫するのをお忘れなく。
ビーツのサラダ。鮮やかな赤紫色のビーツは、丁寧に火を通されることで特有の土のような香りがまろやかになり、濃厚な甘みが引き出されています。時にはドライフルーツの縮された酸味や甘味が加わり、味に奥行きを与えます。
クリスピーエッグプラントサラダ。こちらでは定番のサラダ(?)であり、高温で一気に揚げられたナスは、外側はカリッと小気味よい音を立てるほどクリスピー。他方、中はとろけるような口当たりで、甘辛いタレが茄子の油分とよく合います。
こちも郷土料理の「Mastava(マスタヴァ)」。ウズベキスタンと言えばプロフ(炊き込みご飯)ですが、こちらは「飲むプロフ」とも称される、ゴハンをたっぷり含んだ具沢山スープ。羊肉と野菜の旨味が溶け出した濃厚なスープを吸ったゴハンが果てしなく旨い。雑炊やリゾットに近いものであり、日本人が大好きな味覚です。
メインにシャシリク。羊肉は臭みが全くなく噛むたびに良質な脂の甘みが弾けます。牛肉は赤身の力強い旨味を上手く閉じ込めており、肉本来の旨さを楽しめます。中央の円盤状のものは牛肉の薄切り肉を巻いたもので、面白い食感。いずれもどれもマリネ液の効果で中まで味が染み渡っており、ビールが進むのなんのって。
以上を食べ、そこそこ飲んでお会計はひとりあたり3-4千円といったところ。豪華な内装に最初は少し気圧されますが、料理はいたって真っ当で、むしろ丁寧な仕事が随所に感じられます。ウズベキスタンの食文化をある程度の快適さの中で体験したいという場合、このレストランはひとつの基準点になり得るでしょう。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。