Grand Hyatt Taipei(グランドハイアット台北、台北君悅大飯店)

台北は信義区にある5ツ星のラグジュアリーホテル「Grand Hyatt Taipei(グランドハイアット台北、台北君悅大飯店)」。1990年に開業した老舗の大店で、台北101や台北世界貿易中心などの複合施設に隣接し、台北におけるMICEの主要登場人物です。
大きな車寄せからドーンと広がるロビーへと進みます。ドーム球場のような空間の広がりであり、ここまでロビーの天井が高いホテルは珍しいでしょう。ただ、広すぎる弊害か車を降りてからレセプションカウンターまでの距離が長すぎ、忙しい時間帯などは荷物運びを始め何から何までセルフで処理する必要があります。
私はハイアットのグローバリスト(最上級会員)なので、事前にアップグレードする旨の連絡を頂戴していたのですが、現場スタッフはその手続に手間取っており正直ダルかった。満を持して入室したお部屋は「クラブデラックスツイン」とのことでしたが、ビジネスホテルに毛が生えたような誂えでありさげぽよです。
リネン類はピシっとしとらずシーツもお布団の中でグチャグチャしており、照明のボタンもややこしくティッシュやゴミ箱などの備品類が思うような場所に置かれていないなど、痒い所に手が届かないホテルです。テレビはLGの安物で、もちろんキャストのようなハイテクな仕組みはありません。
ミニバーは一般的なラインナップ。コーヒーはネスプレッソではなくイリーという初めての体験。ミネラルウォーターは600ミリリットルが5本も用意されていました。ただし日によって補充の精度がバラバラで、一体どういったマニュアルに基づいて作業を進めているのかと疑問が生まれます。
クローゼットは思いのほか狭く、1週間の滞在などには厳しい。パジャマも用意されておらず特大サイズのバスローブのみと、やはり痒い所に手が届かない。
築30年を超える物件なので仕方ないと言えば仕方ありませんが、やはり構造というか動線というか、色んな所が古臭いです。ウェットエリアに全ての水物が詰め込まれているため、ひとりが何かを使えば同伴者は手も足も出ないという仕組みは心から不便です。
バスタブはあるにはあるのですが、掃除が甘く変なシミがこびりついており、お湯を張る気が失せました。そういえばベイシンにも黄色い汚れが付着しており、ドライヤーもベコベコでした。
「お部屋の掃除は月水金しかやりません」という選手宣誓もいかがなものか。もちろん毎日シーツを絶対変えろとは言いませんが、事情があって変えてもらいたい場合もあるかもしれないのに、それらの要望を一切受け付けないという姿勢は5ツ星のラグジュアリーホテルとしていかがなものでしょうか。
共用施設に参ります。まずはクラブラウンジ。横に長細い不思議な構造ですが、そのぶん会話音や視線が上手く分断され、これはこれでアリだなと感じました。先月泊まったクアラルンプールのラウンジとはまた違った落ち着きがあります。
17:30-19:30のカクテルタイムにつき、ワインがショボいですねえ。東京福岡など日本のグランドハイアットのカクテルタイムの泡はシャンパーニュが基本なのに当館はオーストラリアのスパークリングワインでした。
あくまでカクテルタイムなので仕方ありませんが、ツマミ類もしょぼくれており、先月泊まったクアラルンプールのラウンジが素晴らしかっただけに悪目立ちしてしまいます。
フィットネスセンターにつき、800室を超える客室数であるためかマシン類が非常に充実していました。また宿泊者はスパも無料で利用できるのですが、スパというには大げさで大浴場とサウナがある程度であり、一般的なスポーツクラブのそれと同等にお考え下さい。
屋外には温水プールが用意されており、きちんとロープが張られており監視員もおり、ガチ勢が遠慮なく泳ぐことができます。
朝食につき、グローバリストはクラブラウンジで摂っても他のレストランで摂っても無料なのですが、この日は料理のラインナップが豊富と聞いたロビー階の「Café (凱菲屋)」にお邪魔することにしました。
300席近くはあろう広い広い店内でひときわ目を引くのが点心コーナー。まるで何かの工場のように粛々と点心が生産されており、旅行者にとってはあげぽよな瞬間です。詳細は別記事にて
ちなみにクラブラウンジでの朝食は「Café (凱菲屋)」のラインナップを絞り込んだ感じです。もちろんキッチンはあるため卵料理はきちんと作ってくれます。空間にゆとりがあり利用客も少ないので、軽くフルーツを摂ってコーヒーを飲むだけのようなゲストはコチラで充分でしょう。
ところである日の夕食に「明福台菜海產」という話題のミシュラン星付きレストランにコンシェルジュ経由で予約を入れておいてもらったのですが、予約日を間違えて入れてしまうというポカをやらかしてくれちゃってひと騒動ありました。店員は「日本人は無連絡でドタキャンとか絶対しないから、おかしいなと思っていたんですよ」と、全幅の信頼を置いてくれていたのに、日台の関係が悪くなったらどうしてくれるんだとハイアットに対する黒々とした怒りが沸いてきます。
というわけで、パッとしないホテルでした。5ツ星のラグジュアリーホテルと言っても単にハコがデカいだけで、ソフト面は日本のビジネスホテルと大差ありません。ただ、同じ「Grand Hyatt(グランドハイアット)」ブランドでクオリティに差があるのは勘弁して欲しいなあ。こちらはそのつもりの装備で訪れているのだから。

ちなみに台北には近々パークハイアットとアンダーズが爆誕するそうなので、1990年に開業した当館は役目を終えたと考えるのが自然なのかもしれません。ソウルのグランドハイアットのように。

ちなみにコンシェルジュから案内された当館に沿った通りから出発する空港行のバスは、1時間に1本しかないくせ定刻から10分を過ぎても来る気配が無かったので、利用しないよう気を付けましょう。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。