いたる 本店/片町(金沢)

金沢で最も有名な居酒屋と言えば「いたる」。「金沢21世紀美術館」の裏手、金沢きっての歓楽街「片町」から歩いてすぐです。今回は本店にお邪魔しましたが、同じ料理を提供する「香林坊店」「のど黒めし本舗いたる」もすぐ近くにあります。でも何故か皆、本店を目指して訪れ、本店ばっかり混んでいます。食べログでは百名店に選出。
厨房を取り囲むカウンター席が20席弱にテーブル席がいくつか。奥にはお座敷もあるようです。予約ナシでも入れないこともないのですが(末尾の写真は雨の中、駐車場に張られたテントの中で順番を待つフリーの客)、予約して訪れたほうが確実でしょう。
お酒につき、日本酒は1合で千円前後と、このあたりの居酒屋としてはやや高めです。グループでの予約であれば飲み放題プランもあるようなので、よく飲む方は予約時に相談しておくと良いでしょう。お通しはバイ貝で、しっかりと味が沁みていてお酒によく合います。
名物の桶盛りのお造り。大勢で訪れれば訪れるほど盛り上がる盛り付けですが、おひとりさま向けのミニ桶も用意されています。この日のお魚はタコ、カジキ、甘海老、タイ、がんど鰤。なるほど居酒屋と呼ぶにはクオリティ高杉であり、下手な割烹料理店よりも余程上質です。
揚げ物3種盛り。この日は鶏肉の梅紫蘇揚げ(?)に白海老のさつま揚げ(?)にイワシの春巻き(?)です。ハテナばっかりでスミマセン、正式名称を失念してしまいました。中でも春巻きが良いですね。イワシの苦みが大人の味わいです。
お造りのがんど鰤が良かったので、あら炊きも頂きました。ちなみに「がんど鰤」とは鰤の若魚であり、北陸ではそう呼ぶそうです。関東ではワラサ、関西ではメジロといったところでしょうか。ゼラチン質の部分がプルンプルンで、私もプルンプルンしてきました。
〆のお食事(?)にしめ鯖サンド。脂と酸味たっぷりのしめ鯖の主張が強く、サンドというよりも酒のツマミですな。トルコあたりのサバサンドとはまた違った方向性でした。
以上を食べ、軽く飲んでお会計は8千円強。おわ、思ったよりも高くつきました。それでも魚の質そのものは大変高かったので、妥当と言えば妥当かもしれません。ここでしか食べることのできない唯一無二の、というわけではなく、地元の人気居酒屋といった扱いであり、福岡で言うところの「せいもん払い」といったポジショニングでしょうか。県外のゲストを迎えるカジュアルな飲み会にどうぞ。

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「大人絶景旅」と銘打ってはいますが、石川の名所をテンポ良くまとめています。グルメ情報も多くモデルルートの提案もあり、広告だらけのガイドブックとは一線を画す品質の高さです。