すし初/湯島

飲食店に対する何らかの休業補償が無い限りは私が食べ支えます。ちなみに3月初旬の時点で高級食材から値は下がりつつあるものの、中価格帯のものについては価格も流通量もそれほど変化はないとのこと。何でも日本の鮮魚ビジネスは台風やら地震やら大きな需給の変化がしょっちゅうであり、エンドユーザーから漁師に至るまで割と上手く助け合って難局を乗り切ることに慣れているそうです。アドリブに強い国、ニッポン。
お食事はシイタケにうるいで始まります。もうすっかり春ですねえ。円みのある酸味が宴の始まりに最適。
新ジャガイモに新タマネギ。調味に卵黄と麹を用いているのですが、どことなく納豆のような風味が感じられ面白い。大阪の「カモシヤクスモト」あたりで出てきそうな味わいです。
カツオのハラガワ。これ、好きなんですよねえ。脂の多いハラスの部分です。ムチムチとした肉質に肉に旨味と脂が凝縮。お酒にピッタリ。
ホワイト系のお刺身盛り合わせ。塩とワサビをちょこんと付けて食べるタコがお気に入り。コリコリむにゅむにゅとした食感が堪らない。アメリカで働く連れは「こういうの、絶対にアメリカで食べれないからなあ」と遠い目です。
コチラはレッド系。冬も終わりだというのにどの魚もメタボ体質で、醤油に脂が浮くほどです。マグロのカットがとにかく分厚く、やっぱりこう、旨い魚をムシャムシャやるって最高やな。
鮭の酒びたし。新潟県は村上の鮭文化が生んだ郷土料理であり、地元の日本酒に浸しながら頂きます。マリアージュは完璧というか、飲む酒を用いて調理するのだから合わないわけがない。いくらをぶっかけて贅沢な親子皿。
カキはキュウリとお酢でサッパリと。想像以上に爽快感に溢れておりシーブリーズのような食後感です。貝柱の歯ごたえも良く、いわゆるカキとはかなり印象の異なる一皿です。
どーんとしたキンメダイを丸々1匹、ふたりで食べちゃいます。ああ、なんという贅沢。まさにお祭り気分。
コチラも牡蠣。今度はコッテリとした調味で煮こまれており、これが同じ素材かと驚く濃密な味わい。日本酒が進まないわけがありません。
にぎりに入ります。まずは特大のエビから。プレーンな味わいで美味そのもの。ゆうべは厚化粧でエビを台無しにされたので感激もひとしおです。
春子鯛。厚切りでムッチムチな食感。原則的に味の薄い魚のはずが、非常にパンチのある味わいでした。
やはり厚いスライスのマグロを三枚重ねで。ザクザクムシャムシャと至福のひととき。
イクラは質の良い海苔でクルっと巻いて、香り高い1品。
ホタテも美味しい。新鮮でクリアな味わいなのですが、芯のある味覚も備えています。
ホタルイカは凝縮感。噛み進めながら酒をクイっと。やはり日本酒は最後にして最高の調味料です。
ホクホクのアナゴをたっぷり。ああ、今夜の饗宴もフィナーレなのかと淋しくなる。
白子はクリーミーな舌触りで濃密なひと時。口の中でシャリと合わさりセクシーなリゾットが完成します。
トロタクでコリコリねちねちしてご馳走様でした。いやあ、今夜も旨かった。18:30入店の22:30退店、4時間ぶっ通しで飲み食いし続けました。


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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。

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