マンサルヴァ(MANSALVA)/恵比寿

ガーデンプレイスから広尾一丁目方面に坂を下っていく途中にあるイタリアン。コンクリート打ちっぱなしでシャレオッティな外観です。
ズバっとカウンターが主張する格好いい内装であり、十番「カラペティ・バトゥバ!(QUAND L'APPETIT VA TOUT VA!)」を思い出しました。我々はグループでお邪魔したので奥の個室へ。

高橋恭平シェフはイタリアを始めヨーロッパ各地で腕を磨き、「自由な手」という意味の冠を宿して2010年に独立開業。
ワインはお料理に合わせてペアリングでお願いしました。乾杯はシャンパーニュ。この後、イタリアやフランス、日本など新旧に捕らわれず自由なスタイルでワインを提供してくれます。ちなみにホールスタッフは全員がソムリエだそうです。
アミューズはキンカンにフォアグラを詰め込みます。まあ普通に美味しいのですが問題なのは提供速度。この一口を提供するまで入店してから30分近くを要しました。当然に乾杯のグラスは空いてしまったのですが、そこはサービス陣が気を利かせて追加で注いでくださります。
前菜はサワラの低温調理。サワラは悪くないのですが、ペラッペラに薄く食べ応えがありません。これ低温調理で提供する必要ある?付け合わせは菜の花にアボカド、そしてキウイ。キウイを全面に押し出すプレゼンテーションは珍しいですが若干味覚が刺々しい。ここはひとつアボカドの味覚を活かした方が良かったかもしれません。

また、引き続き皿出しのテンポは悪い。口元が寂しいので酒を飲むわけですが、結果、追加で注いで下さることになるので気まずいことこの上なし。もちろん遠慮なく頂きます。
温菜は淡路の玉ねぎ。クタクタになるまで柔らかく火が通っており、中にはたっぷりのサルシッチャが、たっぷりこってりのゴルゴンゾーラは万人受けする味わいであり、不思議とラビオリを食べている気分になりました。
パンは練馬の名店「パーラー江古田」から直輸入。フワッフワに柔らかく小麦の風味も濃密であり、なるほどOEMに頼ってしまう気がわかります。
パスタは自家製のバヴェッテ。バヴェッテとはタリアテッレよりもやや細い平打ち麺であり、要するに二郎の麺に酷似しています。具材は塩鱈に白子、カレッティエッラというピリ辛ソース。量もたっぷりで王道の味わい。
メインはホロホロ鳥の鉄板焼きをチョイス。ムネ肉とモモ肉の食べ比べであり、後者のほうが筋肉質かつジューシーで美味。調味はシンプルであり肉そのものを味わう一皿でした。
連れはイシダイをチョイス。表面をカバーするセモリナ粉がクリスピーを演出し、アンチョビの旨味、付け合わせの野菜の苦味を含めて美味とのこと。
デザートはバナナにたっぷりのマスカルポーネに黒糖。見た目は特大ですがエアリーな触感でスイスイ食べ切ってしまいました。
連れはピスタチオにイチゴ、ホワイトチョコ。「あまり印象に残らないけど、まあ、色合いとかはいいんじゃない?」とのこと。感じの悪い女である。
食後のハーブティにはオリーブの葉のお茶をチョイス。ほろ苦く不思議な味わいです。

お会計はひとりあたり1.6万円と、まあ、こんなもんでしょうか。途中から調理スピードが乗っては来ましたが、やはり序盤のテンポの悪さは致命的。カウンターに座って進捗状況を把握できれば心理面でフォローできなくもないですが、個室の隔離された状態で今後の展開が読めないのは辛い。ピークタイムをずらした時間帯にカウンターにお邪魔すると良いのかもしれません。


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恵比寿も十番に負けず劣らず良い街ですよね。1度住んで、片っ端から食べ歩いてみたいなあ。よそ者ながら印象に残ったお店は下記の通り。
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