中華寝台(チャイニーズベッド)/渋谷

渋谷は道玄坂の隠れ家イタリアン「SHIBUYA BED」が業態変更。今度は中華料理で「中華寝台(チャイニーズベッド)」です。どうやら六本木の「虎峰」に関連がある模様。上笹俊シェフは南青山「Essence」出身の28歳。若い!
料理に合わせたお酒のマッチングは飲み放題で8,800円と魅力的。なのですが、この日はあまりお酒を飲んじゃいけなかったので、ビールとお茶で通します。お水にはアラスカの凄いやつを用意するなど拘りが感じられました。
「玉手箱」ということで、ハコを開けると様々なスパイスの香りが広がります。中心にあるのはバラのお茶。
前菜盛り合わせ。豆乳とピータンのスープ(?)、ワカサギ、おし豆腐と雲丹、アンキモ、よだれ鶏、チャーシュー、ボタンエビの紹興酒漬けと華やか。ワカサギがサラリとした食感で品のある味わいでした。
金目鯛はムチっとした食感があり食べて楽しい。ソースには腐乳を用いており、独特の塩気が面白かったです。
「獅子頭」という料理は豚バラを用いた肉団子。非常に柔らかく優しいタッチであり、スプーンを用いてたっぷりと餡を絡めながら頂きます。
「上湯 薬膳」は調味料を殆ど用いておらず、素材からの出汁のみで勝負。若干の土臭さが感じられる滋味あふれる味わいです。
車海老を丸々1本用いたエビチリ。こんなに風格のあるエビチリは初めてです。ソースにジワジワ来る辛味が潜んでおり、蒸しパンと共に1滴も余さず頂きました。
「土鍋煮込み」はフカヒレと毛ガニ。まるでステーキ肉のようなポーションであり、ぽぽぽぽーんです。ねとねととコラーゲンを感じる舌触りに天下一品のこってりを昇華させたような突き抜ける旨味。
麻婆豆腐には白子がたっぷり入っており、一見グロい。スパイス使いがマイルドであり、麻婆豆腐というよりは何か別の料理を食べているような印象を受けました。
デザートはリンゴのアイス。シナモンの香りが心地よい。
続いてマンゴープリン。滑らかで濃密な味わいです。
ノンシュガーながら不思議と甘味を感じる紅茶を飲んでごちそうさまでした。

ひととおり食べてちょっと飲んでお会計はひとりあたり1.5万円。うーん、ちょっと高いなあ。料理は美味しくスタッフの対応もとても良く気持ちの良い時間を過ごせましたが、単純に高い。香港の星つきレストランと同等かそれ以上の価格設定であり、芸風は全然違いますがご近所の「池湖(いけこ)」であればどれだけ飲み食いしても7~8千円に収まることを考えると割高に感じました。似たようなベクトルの店だと鎌倉「イチリン ハナレ」が挙げられますが、あそこも結構飲んで1.7万円程度だった。現場に問題は何もなく、会社の意向や経営方針に論点が感じられました。


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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。
1,300円としてはものすごい情報量のムック。中国料理を系統ごとに分類し、たっぷりの写真をベースに詳しく解説。家庭向けのレシピも豊富で、理論と実戦がリーズナブルに得られる良本です。

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