falò(ファロ)/代官山

代官山もしくは恵比寿から歩いて徒歩7~10分ほどの場所にある「falò(ファロ)」。店名はイタリア語で焚き火という意味があり、その名の通り炭火などでバチバチに火を熾して肉焼いたるで系のイタリアンです。「ARMONICO(アルモニコ)」や「COTEAU.(コトー)」のすぐ近くです。
お店の中央に焼き台、その周囲をぐるりと取り囲むカウンター席という独特の設計。臨場感抜群どころかもはや臨場している状況であり、藁で燻した香りがガンガンに漂いゲストもスモークされちゃいましょう。

樫村仁尊シェフは広尾時代の「アクアパッツァ」で料理長を務めた実力派。2016年に独立し当店をオープン。
酒が安い。生ビールが650円に始まり、グラスワインも千円を切ってきます。ボトルのワインも数千円のものが殆どであり、それほどお金を気にすることなくグビグビいけるでしょう。
お通しにレンコン。バリっと焦がした炭の香りが心地よく、今後の展開を予兆する味覚です。
藁で炙ったブリとカツオ。ぐわー、何なんだこのポーションは!見て下さいこれで何と1人前ですよ。欧米系レストランのメインディッシュの魚が大ダブルで前菜として登場です。藁で炙った風味も香ばしく、魚としての質も実に高い。本日一番のお皿です。
サラダには炙ったイノシシのモモ肉がトッピングされており上手く肉ドレスされています。サラダはハーブが多用されており、大人の苦みがきいて乙な味。
真っ黒に焼かれたハマグリ。五反田「ヌキテパ」もかくやと思わせるボリューム感であり、肉からほとばしるエキスとオリーブオイルを混ぜ込んで食べる旨さといったらない。
サンマもブワっと炙られており、自身からにじみ出た脂で揚げられたようになっています。旨味が凝縮されており白米が欲しくなる味わいです。
クロスティーニにはたっぷりの鶏肉とキノコ。薄切りのパンの上に食材を並べるというコンセプトを放棄したクロスティーニであり食べ応え抜群。まるでオカズかのようにワインが進みます。
メインは塊で焼いたポルケッタ。イタリア風 ローストポークであり、脂の多さに一見引きますが、その脂が実に甘く上品で、肉というよりも脂を食べる料理なのかもしれません。
〆の食事にパスタのミートソース。なのですが、これは全然美味しくないですね。麺はグデグデで湯切りも適当、ミートソースもこれまでの料理のクオリティに比べると雑然として潤いがなく、がさつで落ち着きがない1皿でした。
デザートはそれぞれ選ぶことができるとのことだったので、ティラミスとプリンを注文しシェアして頂きます。チーズたっぷりのチーズを食わせるティラミスであり、見た目は爆弾サイズですが思いのほかスルスルと胃袋に落ちていきました。
私はエスプレッソ、連れは台湾茶で〆てごちそうさまでした。

以上を食べ、そこそこ飲んでお会計はひとりあたり1.1万円。食材の質、鬼気迫るボリューム、豪快にして繊細な調理を楽しんでこの支払金額はリーズナブルと言えるでしょう。中目黒「RODEO(ロデオ)」に似た食後感。客層はカジュアルで高級居酒屋使いしているゲストも多く賑やかななので、気の置けない仲間と共にどうぞ。

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