l'intemporel (ランタンポレル)/外苑前

青山霊園の西方の住宅街に佇む小さなフランス料理店。近くには「ラス(L'AS)」や「apero. WINE BAR AOYAMA(アペロ)」などがあり、フレンチレストランが多い地域です。店名は「時間を超越した、永遠不変の」の意。
2年前に訪れた時からシェフが代わりました。金川大輝シェフは赤坂「ライラ(Lyla)」を経て渡仏。2ツ星「LA MARINE(ラ・マリーヌ)」でアレクサンドル・クイヨンに師事した後、帰国。
今回は持ち込みのワイン会だったので費用対効果は語れないのですが、一休を確認したところ、通常はペアリング付きで 1.5~2.2万円あたりが相場のようです。
アミューズにタルトレット。1口サイズながらもゴボウの風味がオーバーシュートしており、ゴボウ好きとしては嬉しくなります。
左はウフブルイエ。トロンとしたスクランブルエッグにウニ、コンソメのジュレと定番の美味しさ。右はダイコンにキャビア。ありそうでない、珍しい組み合わせです。
カリフラワーのパイ包み。カリフラワーを薄いパイ生地で包んで焼き上げるシンプルな料理なのですが、カリフラワーの滋味あふれる旨さがダイレクトに伝わってきます。タマネギの濃厚なソースも美味。
訪れるたびに思うのですが、パンが地味に美味しいです。ややこしいものでは無くシンプルに小麦の味を押し出すタイプです。真っ白な発酵バターも良いですね。
サバのスープ。サバ特有のスモーキーな香りが店中に立ち込め、味覚とは嗅覚であることを認知させてくれる一皿。こういうものを自宅の冷蔵庫に大量にストックできると嬉しいのだけれど。
オマールはシンプルな調理で素材そのものの味を追求します。付け合わせのお野菜、特にネギが香ばしくて良かった。
ハタ。ブルンブルンと弾けるような食感であり、ムチムチとした歯触りが堪りません。もともと淡白なお魚であるためか、代わりにソースを濃密に仕上げており、クラシックな味わいが響きました。
メインはラム。じっくりと丁寧に火を入れており、清澄でミルキーな味わいが上手く閉じ込められています。とにかく肉の香りが良い。ソースは先の皿と同様、伝統的な味わいです。
デザート1皿目はイチゴ。アクセントにピリっとしたスパイスを忍ばせており、イチゴの甘味との対比が面白かったです。
アイスクリームも素朴な味わいですが実に濃厚。
お茶菓子も凝っており、最後まで手抜き無し。ごちそうさまでした。

前回訪れた時よりも料理が古典に迫っているように感じました。クラシックが好きな私としては僥倖であり、「フレンチってどんな料理なの?」と問われた際にお連れするに最適なお店に感じます。普段であれば飲んで食べて1.5万円というのもリーズナブル。今度はお店のペアリングを試してみたいと思います。


食べログ グルメブログランキング

関連記事
「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
日本フレンチ界の巨匠、井上シェフの哲学書。日本でのフレンチの歴史やフランスでの修行の大変さなど興味深いエピソードがたくさん。登場する料理に係る表現も秀逸。ヨダレが出てきます。フランス料理を愛する方、必読の書。

関連ランキング:フレンチ | 外苑前駅表参道駅乃木坂駅