ビストロアム/恵比寿


大好きな間グループの新店。ビストロ間銀座に移転し、その跡地にリニューアルオープンです。
なんだか面白いエクステリア。気持ちの良い季節は引き戸を全開するのかしら。
食にうるさい友人4人での食事会。間グループは東京で最もカリテプリに優れた企業集団だと信じて疑わないので、こういう場にもってこい。
よく飲む4人なので全てボトルで参ります。爽やかな泡。スイスイと飲み進めてしまう。前菜にたどり着くまでに1本空けてしまいました。
ミニチュアフォアグラフォンデュ。新鮮な果物にフォアグラのクリーム、ムチムチと脂の乗ったパイ。何でだろう、ごくごく単純な料理なのにとても印象的に感じます。プレゼンテーションって大事ですね。
連れは野菜のパフェ。赤い球体はトマトのアイスクリームです。とにかく女性的な逸品。何度も何度も見たことがあるスペシャリテですが、時間とは良くできた消しゴムであって、やはり久々に目にすると胸を打たれます。
私は海のパフェ。鮨屋で食べても納得の魚介類がテンコ盛り。イカがとりわけ美味でした。アイスクリームはブイヤベース味で大好きなのですが、冷製で舌ばバカになるので、もうちょい味コイメのほうが私は好きですね。
パンは普通。バターに柑橘の風味をきかせる工夫がみられるものの、バターそのもののコクに薄く印象に残りません。
皆が皆、自分の食べたいものを好き勝手注文するのでワイン選びは至難の業。ロゼを探したのですがワインリストに見当たらず、代わりにはっきりとしたボリュームのシャルドネを。
連れの前菜はサワラのミキュイに新タマネギのブランマンジェ。シェリービネガーソースで全体をとりまとめています。「焼き目がパリっとしていて美味しい」とのこと。
私の前菜はローストビーフに包まれたフォアグラのポワレ、山ウドのソース。色使いがすごく好き。私の目指すホームパーティの究極目標はコレです。色鮮やかで、わかり易い万人ウケする食材とその味。ポーションもしっかり。
分厚いローストビーフに道をあけてもらうと顔が飛び出るフォアグラ様。とっつき易い調理で超タイプ。
連れのメインはメカジキのムニエル。トマトバターソースが食欲をそそります。魚の上の野菜の使い方も素敵だなあ。
私のメインはうずらのファルシ。うずらのおなかにはモッツァレラチーズとエビとインゲンたっぷり詰まっています。ソースは赤ワイン系。しかし前日にラ・ファソン古賀のソース使いに魅了されたばかりだからか、当店のソース使いはあと一歩に感じてしまいました。
赤はフラン。特有の青臭さが健全な酒躯体にマスキングされており、ゴクゴクと飲めてしまいます。
〆のゴハン料理は牛タンシチュー。しかしながらコレは全然美味しくなかった。質の良くない牛肉の臭みがはっきりと感じられ、一方でコクに乏しく全般的な味付けもボヤっとしています。
タケノコごはんも凡庸の極み。思い切って香りを立たせるとかの工夫があっても良いのにな。なぜか間グループは最後にタケノコごはんを食べさせたがり、残念ながら毎度毎度全然美味しくないのが不思議でならない。
まあ、絵的には良い試みですね。日本人なら誰でも好む安心の構図です。
私のデセールはショコラワッフル。うーん、ファミレスのデザートと大差ありません。バニラのアイスクリームは乳脂肪が高くコクがあって救われました。
連れはゴマのブランマンジェ。くずきりと黄金梅のアイスクリームやほうじ茶のジュレなど、和のテイストを光らせます。
コーヒーもコンパクトというかフラットというか、平たく言うと美味しくなありません。

とまれかくまれスペシャリテのパフェが圧倒的。飲食業界の出オチ最強選手です。パフェに始まり視覚に訴えかけてくる料理が多い。なのですが、口にするとあらら?と思ってしまうこともあります。全般的に味付けの澪標がはっきりしておらず、ビっとした直線が見え辛い。

とは言えこの価格帯でここまでの料理を出すことができるのは驚異的。女の子が好むのはもちろんのこと、食べ盛りの男子でも満足の行く食後感です。当店に対して不満を持つ人は限りなく少なく外すことは無いと思います。オススメ。
お土産のフィナンシェ。こういうの、好き。




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