SALONE TOKYO(サローネ トウキョウ)/日比谷

元町「サローネ2007」を筆頭に、西麻布「イル・テアトリーノ・ダ・サローネ」、渋谷「ビオディナミコ」、茅場町「ロットチェント」などサローネグループが好きな私。今回は東京ミッドタウン日比谷と共にその歴史を歩み始めた「SALONE TOKYO(サローネ トウキョウ)」へ。
暑い日のランチだったので、まずはフランチャコルタから。柑橘の風味が強く初夏にピッタリ。ただ、あとから明細を確認したところワインペアリングは7,000円でした。料理6,000円にペアリングがその価格設定ってのはバランスが悪いです。
「茹でタコ」。低温で茹でた柔らかいタコに貝類の味覚を添加。グニグニした食感と強い旨味がベスト・マッチ。
「赤海老のブレザオラとセミフレッド」。旨味の強い赤海老の味噌をアイスクリームに仕立ててあります。これはもう、食べる前から美味しいですね。強烈な海老の味噌をネットリとした食感が撫でていく。
合わせるワインは白。なのですが、ややこしいブドウにややこしい製法で、かなりややこしい味です。難解すぎて私の口には合いませんでした。
パンは素朴。なのですが、滋味の厚いオリーブオイルにたっぷり浸すと香り高い味わいに。
「タリアテッレ 牛テール赤ワイン煮込み グリーンピースのピュレ」。サローネグループのお家芸とも言えるパスタ食べ放題は無く、固定量です。麺と具材を分けての提供であり、それぞれは悪くないのですが、どうも絵的に救われない。
土着のブドウをアンフォラで発酵させた、やはりややこしいワインです。うーん、当店のワインペアリングはどうでしょう。拘りのある個人店で出す分には悪くないですが、敷居の低い商業ビルでの6,000円のランチに、こんなに凝った組み合わせを目指す必要性は果たしてあるのかどうか。客層に全くそぐわないセレクションに感じました。
メインはあか牛のロースト。これはまあ、肉ですね。美味しいのですが一般的でもあり記憶に残りづらい。レフォール(西洋ワサビ)のソースは良かったです。
シチリアのワイナリーで、ネレッロ・マスカレーゼという初めて聞くブドウ。味は赤ワインの王道っぽい味わいで、ここにきてようやく好きな1杯に出会えました。
白いティラミス。クスクスやオレンジなどを底に置き、たっぷりのマスカルポーネチーズとコーヒー風味のパウダーを。美味しいのですが、映えない。加えて一般的なティラミスの構成要素とはかけ離れており、違和感を感じながらのフィニッシュでした。
サローネグループの新店ということで期待してお邪魔したのですが、私の価値観には合いませんでした。(これはグループ共通ですが)食事とワインの価格バランスが悪く、そのワインの選択も好みが分かれるところでしょう。食事もサローネグループの美点とも言えるパスタの影が薄く、知らずに入店すればサローネグループの店とは気付かなかったかもしれません。これまでの芸風とはまるで別物と覚悟して訪れましょう。


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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
十年近く愛読している本です。ホームパーティがあれば常にこの本に立ち返る。前菜からドルチェまで最大公約数的な技術が網羅されており、これをなぞれば体面は保てます。

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