エメ(Eme)/武蔵小山

日本一長いアーケード商店街の脇に入ると花屋、というかグリーン専門のお店「TRANSHIP」があり、その奥に秘密のビストロがあります。
武藤恭通シェフは代官山「タブローズ」、フランスの三ツ星「ラムロワーズ」などで腕を磨き、帰国後は代官山「マダム・トキ」の副料理長に。2018年、フランスの郷土料理や南西部バスクの料理や総菜を提供する気軽なビストロをオープン。
飲み物はワインはもちろん、クラフトビールや日本酒まで自由自在。いずれもリーズナブルな価格設定であり(確かこのビールも1,000円しなかった)、普段使いし易いお店のようです。
コースもありますが、我々はアラカルトでの注文。2人であれば前菜3~4皿にメインをひとつで丁度よく、お腹に余裕があればゴハンものも用意できるとのこと。
「フレンチタパス盛り合わせ」。これはまあ、普通ですね。不味くはありませんが、目新しさはない。家庭料理の延長でした。
「牛肉のタルタルステーキ仕立て」。いわゆるユッケ的な料理であり、日本ではあまりお目にかかることができないものです。フランスのそれに比べるとしっかりと火が入っており、牛タタキを食べているような感覚でした。
「天然海老のビスクのクレームブリュレ」。ビスクをクレームブリュレに仕立てた逸品であり、海老の強い旨味と甘味、キャラメリゼの香りとほろ苦さがベストマッチ。ありそうでない、見事な一皿でした。なんでも甲殻類専門店「うぶか」の指導を受けているそうな。
「オリジナルHerbワイン」という、白ワインにハーブを漬け込んだ企画モノワインを注文。なるほどハイビスカスとバラの香りが漂い面白い試みです。1,000円を切る価格設定も嬉しい。
「牛頬肉の赤ワイン煮込み」。これは美味しいですねえ。特殊な調理を施しているというわけではありませんが、究極の普通というか、オーソドックスに完璧に旨い。量も結構あり、当店に係る満足度がスパイクした瞬間でした。
お肉にあわせてワインも頂きます。上品なタンニンにジューシーな果実味。先のお肉にピッタリです。
「ひとりあたり7~8千円かなあ」とお会計を相談し合っていたのですが、伝票が届いて驚き、5.5千円です。これは安い!酒1杯1,000円として、料理は2.5千円ですか最高かよ。なあんだ、これならもっとバカスカ食べれば良かったなあ。ちなみにランチタイムであれば子連れでもOKとのこと。地域に溶け込んだ、普段使いしたい素晴らしいビストロでした。
ちなみにこのお店を見つけたのはコチラの本から。グルメな方々が自分の好きなお店を好き勝手語ってる自由なグルメ本です。有名な予約困難店に偏ることなく、日本じゅうのニッチなお店が紹介されていて面白かった。


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