バーレイヘッズの人気ハンバーガーショップ兼バーの「Ze Pickle(ゼ ピクル)」。2012年に3人の地元の友人によって設立され、健康志向ではなく「過度にジャンクで満足感たっぷり」のバーガーが自慢です。ビーチから徒歩2ブロックの好立地です。
店内は銅製のパイプや黒い木材が敷き詰められており、インダストリアルでシックな印象。ハンバーガーショップというよりはナイトクラブに近いニュアンスを感じます。
アルコールは地元のクラフトビールは当然として、ワインやカクテルなども豊富に取り揃えられています。バーガーはひとつ20ドル強で、ベジタリアンオプションもあり、グルテンフリーも対応可能とイマドキのスタイルです。
「NAKED CHIPS(フライドポテト)」はバーガーに付随せず10ドルもの追加料金を要するのですが、これが、旨い。外はカリッと中はホクホク。ジャガイモそのものの味わいが見事に表現されており、オマケのポテトとはひと味違います。ソースはマヨネーズをベースに燻製したベーコンのような風味が感じられ、これだけで立派な酒のツマミです。
シグネチャーである「CHEE-ZE-BURGER」。150グラムのビーフパティを主役にアメリカンじーずをたっぷりと重ねたひと品で、最大の特長はメープルシロップでスモークされたベーコンが放つ芳醇な甘みと塩気。バンズは具材のパワーに押され気味ではありますが、全体としてレベルの高いバーガーです。
こちらは「CHEW BY CHEW」。その名の通り肉を噛みしめることを目的としたバーガーであり、ダブルビーフパティとダブルアメリカンチーズが軸となります。先と同様、ベーコンの甘じょっぱい風味とカリカリとした食感が絶妙なアクセント。野菜を排した潔さ。まさに肉好きのために捧げられたシンプルかつパワフルな背徳のひと品です。バーガー2つにフライドポテト1つ、ビールが2杯でお会計は8千円強。ハンバーガーとして捉えれば一見高く感じますが、これだけの品質の肉料理とクラフトビールを楽しんでこの支払金額は実にお値打ち。飲み屋として使うのも大いにアリ。
2024年にブリズベンとシドニーの支店を閉め、原点に回帰しバーレイヘッズの当店のみで営業することを公式に声明しました。フランチャイズ展開を通じて、メニューやレシピといった知的財産は標準化できても、スタッフの個性や地域の雰囲気といった、オリジナルを特別なものにしていた無形の価値が希薄化することを認識したのでしょう。日本の無理に多店舗展開し行き詰っている飲食店に聞かせてあげたいエピソードでした。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。