1839年に建てられた遺産指定の砂岩建築を利用した高級ステーキハウス「6HEAD(シックスヘッド)」。シドニーはロックスエリアに位置し、「パーク ハイアット シドニー(Park Hyatt Sydney)」から徒歩1分。予約必須の人気店ですが、我々はパークハイアットのコンシェルジュに予約を入れてもらいました。ちなみに店名は1788年のファーストフリート(オーストラリア植民開始時の船団)が南アフリカから持ち込んだ「6頭の黒いケープ牛」にの由来するそうです。

店内は重厚でクラシックな雰囲気(写真は公式ウェブサイトより)。我々は店内2階にご案内頂きましたが、テラス席からはシドニーを象徴するオペラハウスを望むことができ、まさに息をのむような景観が広がります。
前菜にカラマリ。丁寧にマリネされたイカは柔らかく、豊かな風味が染み込んでいます。これにスパイシーな衣をまとわせ、カリッと揚げることで、外はクリスピー、中はふっくらとした絶妙な食感のコントラストを生み出しています。ただ、「ソースには柚子をきかせている」と大いばりなのですが、我々が柚子の国の民だとはわかっていなかったようだ。
「Charred Cauliflower Steak」という謎メニューがあったので試しに注文。なるほど確かにカリフラワーのステーキであり、その甘みと香ばしさが口の中に広がります。ソースにはナッツを用いておりオシャレな味わい。ただしこの1皿が約4千円というのは割高に感じました。
ステーキにはサラダが付随します。サラダというか、レタス丸のままであり、美味しいは美味しいのですがロマンに欠けます。ナイフで切り分けながら食べるのも面倒です。真打登場、Tボーンステーキです。総重量は圧巻の1キログラム。T字型の骨を挟んで、二つの部位を同時に楽しめるのが最大の特長で、片側はしっかりとした歯ごたえと肉々しく濃厚な旨味を持つサーロイン。もう片側は驚くほど柔らかく、きめ細やかで上品な味わいのヒレです。もう20ドル追加すれば1.5キログラムのトマホークステーキにアップグレードできたのですが、「いいかげんにしろ」と連れからお叱りを受けました。
このステーキは牧草のみで育ったグラスフェッドビーフであることに加え、店内の熟成庫でドライエイジングが施されており、ナッツのような風味と香りが際立っており、まさに極上の肉体験です。
付け合わせにフライドポテト。外はカリッと黄金色に揚がり、中はホクホクの柔らかさ。ステーキの肉汁に浸して食べるともう絶品。ステーキをオカズに、ポテトをゴハン代わりに食べ進め至福のひと時です。
以上を食べ、軽く飲んで総額は300ドル(約3万円)。東京の「Peter Luger Steak House Tokyo(ピーター・ルーガー)」などそれっぽいステーキハウスの半額程度の価格設定であり、味はそれよりも上。日本人が魚料理で欧米人に絶対に負けないのと同じ意味で、肉を焼かせれば欧米人には勝てないなと白旗をあげたディナーでした。

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