新潟のソウルフードとして知られる「タレかつ丼」発祥の地として有名な「とんかつ太郎」。創業は昭和初期に遡り、当時の新潟市中心部で堀沿いに並ぶ屋台のひとつとしてスタートしたそうです。沖縄のトンカツチェーン「とんかつ太郎」とは多分、関係ないはずです。
「売り切れる恐れがあり、また、ピークタイムは行列する」と脅されていたので、開店とほぼ同時にお邪魔しました。この時点での客入りは半分ほどでしたが、退店時には軒先に行列が生じていました。オペレーションはあまり良いとは言えませんね。注文が立て込んでいるというわけではないのに皆、テンパっており、見ているこっちがヒヤヒヤします。
カツが揚がるまでの間はサラダで繋ぎます。その大半がキャベツの千切りであり、一般的なトンカツ屋であれば無料で付随、かつ、おかわりOKなことも考えると、320円という価格設定には色々と考えてしまいました。注文から15分ほど待って着丼。全国的に「カツ丼」といえば、豚カツを玉ねぎと共に割り下で煮込み、溶き卵でとじたものが一般的ですが、新潟のそれは薄く軽やかに揚げられたカツを、甘辛い醤油ベースのタレにさっとくぐらせ、炊き立ての白いご飯の上に整然と並べるスタイルです。「3枚カツ丼」が1,020円で、「なめこ汁」が180円、先のサラダが320円で合計1,520円と、中々のお値段です。
カツは一般的なとんかつとは一線を画し、豚肉を薄切りにし、きめ細かいパン粉をまとわせて揚げています。全体として軽やかな食感であり、タレは醤油ベースで甘辛く、食事というよりもスナックに近い感覚。ただ、一般的なカツ丼と異なり卵や玉ねぎなどが無いので、味覚としては単調で食べ飽きてしまいます。
ゴハンは新潟が誇るコシヒカリを用いており、なるほど旨い。カツよりもお米の美味しさのほうが印象に残りました。「なめこ汁」は一般的な定食屋のそれであり、別料金で180円は割高に感じました。サイドメニューは全般的に割高なので、全予算をカツ丼に集中すべきだったかもしれません。
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以上の合計が1,520円で、普通に美味しいですがちょっと高すぎるなあというお気持ちです。「かつや」のカツ丼は600円程度であり、あちらのほうが私好み。過度な期待はせず、あくまで新潟名物の聖地巡礼・観光スポットのつもりでどうぞ。おつかれさまでした。

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私は「とんかつ」という料理をそれほど好みません。だって、豚肉を脂で揚げるだけじゃないですか。それなのに、行列するは調理に時間がかかるわ結構高いわで、積極的に取り組もうとしないのです。したがって、私は物凄く「とんかつ」ならびに「とんかつ屋」について、検察官のようにシビアに評価しています。思い入れが無い分、信憑性は高いかもしれません。
- とんかつ マンジェ/八尾(大阪) ←とんかつの聖地。私のとんかつ観を変えた店。
- もち豚とんかつ たいよう/武蔵小山 ←気の良い料理人は何を作っても美味しいものだ。
- とんかつひなた/高田馬場 ←日本人の琴線に触れる延長戦。
- とんかつ成蔵(なりくら)/南阿佐ヶ谷 ←トンカツに5千円?しかも予約制?
- あげ福/五反田 ←アクセスのよい成蔵。
- とんかつ都/麻布十番 ←無名ですが実力派。肌理の細かい衣が特長的。
- ポンチ軒/新お茶の水 ←肉がミルキー。行列が短いのもグッド。
- とんき/目黒 ←都内屈指の老舗。16:30には行列が。
- とんかつ大宝(たいほう)/目黒 ←2千円以下の部、優勝店
- 豚組(ぶたぐみ)/西麻布 ←西麻布のオシャレとんかつ。味も最高峰。飲み屋として使うのも良し。
- 豚組食堂/六本木 ←豚組のセカンドライン。ヒルズ内かつ通し営業と使い勝手良し。
- のもと家/大門 ←売り切れ必至。大門の超人気店。
- 檍(あおき)/大門 ←蒲田の超人気店がとんかつ激戦区、大門に進出。
- 丸五/秋葉原 ←ミシュランのビブグルマン(安ウマ店)をゲットしており、秋葉原の観光も兼ねて外国人にも大人気。