モダンビストロ タワーズ(ザ・リッツ・カールトン東京)/六本木


TOWERS MODERN BISTRO。東京タワーと東京スカイツリーが1つの視野で眺めることができるという稀有なお店。ビストロと言いつつ完全無欠のレストランなので、きちんとした服装で行きましょう。
ザ・リッツ・カールトン東京45階の空間使いはいつだって素晴らしい。気持ちの良いロビーを横目に右奥へ向かう。
最上の席にご案内頂けました。東京タワー信奉者の田舎者には堪らない状況です。
右奥に見える突起物が東京スカイツリー。しかしスカイツリーはどことなくダサい。いつまでたっても好きになれないなあ。
今夜のワインは全てソムリエにお任せ。酒躯体の割にリーズナブルな食前酒でした。
地味ながらもアミューズが絶品。ホイップクリームに魚のミンチを練りこんだものでしょうか、クリームのコクと魚の旨味が見事にマッチ。上品なスプーンに盛り付ければ、それだけで立派な一皿となることでしょう。
タスマニア産スモークサーモンのコンフィ。ポーションが大きく食べ応えはあるのですが記憶には残らない味わい。イクラに赤玉葱のピクルスに緑のソースはコリアンダー、白のソースはライムとヨーグルトと、工夫は感じられるのですが、悪く言うと烏合の衆であり、統一感はありませんでした。
当店はラグジュアリーホテルのレストランだけあって、どのグラスワインも2,000円以上します。一方で、ペアリングは結構お得。3グラスで4,500円より。ペアリングの割にたっぷり注いでくれるので、バイザグラスで数杯注文するよりはペアリングのほうが賢明でしょう。

「おかえりなさい!ハワイの写真見ました!ヴィンテージ・ケーブ・クラブ、よく行けましたねぇ。あの店に入れるなんて、○○さん(私の名)さすが!」いいなあ、と科を作る連れ。彼女は私と歳が近いコケティッシュな女の子で、自営業で既婚者で口が堅いという三拍子も四拍子も揃った長年の推しメンです。
パンはザクザクと食べ応えのあるもの。バターが濃厚で美味。

「この前ひとりでランチしてたんですけど、隣のテーブルの女の子ふたりがずっとタケマシュランの話をしてましたよ。『褒めてばっかのウェブサイトと違って信憑性がある』『登場人物が素敵すぎる』『一度会ってみたい!』って。あまりに熱心だったから、『あたし今度デートするの、いいでしょ?』って声かけそうになったんだから」
「でも、25歳ぐらいの可愛い女の子でしたよ」ということで、2017年3~4月頃に表参道のエルカフェもしくはその近辺でランチしていたそこの女子ふたり!履歴書をお持ちの上、おにまるまでお越し下さい。写真はバストアップ含め4カット添付するように。
カブのスープ。味付けがはっきりしていて私好み。こういうスープが蛇口を捻ると出てくる家に住むのが夢です。

「取引先のオジサマ、あたしと○○さんが繋がってるって知らないんですけど、『タケマシュラン、いっつも素敵な女の子に囲まれているよなあ』って憧れてました」あたしもそのうちのひとりってことですよね、コロコロと笑いながら片目をつぶる彼女。
メダイ。ポーションが大きく食べ応えがあります。火を通しきっても硬くはない肉体。乱雑な調理であるものの、ニューヨークグリルの魚料理を思い出しました。付け合わせはマッシュポテトにキャベツのアンブーレ(下茹でしたキャベツをバター煮たもの)。ターメリック風味のソースの味わいが景気良し。

素敵な女の子に囲まれていることは間違いないのだけれど、時々ひとまわりも歳が離れた子と一緒にいると、なんだか凄くイタいオッサンに見られているんじゃないかって心配になるよ。話していても全然歳が離れている気はしないんだけどなあ、と、最近の悩みを吐露する。
「あ、歳が離れている気がしないって思ってるの、常に年上側ですから!旧世代の片想いですから!女の子側はすっごく感じてますよ、歳の差!」彼女の一言一言が異物となって私の胸に突き刺さる。
デザートはミルフィーユ。品の良い甘さにバニラクリームがたっぷりと挟まれ、トップを飾るのはラプサン・スーチョンアイスクリーム。中国原産のお茶でできたもので、スコッチのようなスモーキーな香りが面白い。量も多く一番食べ応えがあり、本日一番のお皿でした。
「あたしもこの前、若い子と話してたんですけど、trfを知らなかったんです!『何ですかその拡張子?って!」私も若者より「受話器って何ですか?」と尋ねられて絶望したばかり。お察しします。
アルゼンチンのデザートワインを併せてごちそうさまでした。

全体を通してベーシックなフランス料理でした。特徴的な部分は無いものの、基礎がしっかりしており料理人としての確かな力量を感じます。ちょっと高いかなあ。もちろんホテル内のレストランだから割高に感じるのは仕方ないかもしれません。リッツというブランドと雰囲気を食べる店だと割り切る必要があるでしょう。
「今夜はごちそうさまでした!今度はカラオケで小室ファミリー熱唱しましょ!何でも持ち込みOKで、外から見えなくて、絶対に店員が入ってこないヒミツのお店、知ってるんだから」小悪魔的な笑顔を残して発つ彼女。仲間と一緒であれば、歳を取るのも悪く無い。


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大所のホテルブランドであればリッツカールトンが好き。その街にリッツがあれば極力泊まるようにしています。


従業員の面接を、宿泊客と同様にもてなすリッツ・カールトン。ドアマンとピアノの生演奏が志願者を迎えるとか冗談みたい。そりゃあ凄いサービス集団が生まれるわけです。

モダンビストロ タワーズビストロ / 六本木駅モダンビストロ タワーズ


elog.com/tokyo/A1307/A130701/R7737/rstLst/">乃木坂駅、六本木一丁目駅
夜総合点★★★☆☆ 3.0