呑喜屋むね(のんきやむね)/御所南(京都)

魅力的な飲食店が点在する御所南エリアにある「呑喜屋むね(のんきやむね)」。通りすがりの人であれば絶対に見つけられない路地奥にあるので、グーグルマップと睨めっこしながら訪れましょう。ミシュランではビブグルマン(安旨店)に選出されています。
店内は1本のカウンターが10席ほどにテーブルが1卓。マダムを始め、スタッフは皆ほんわかとしており、実に温かい雰囲気です。おひとりさまも大歓迎で、この日わたしは独りでお邪魔したのですが、随分と可愛がって頂けました。
酒が安くビールやハイボールは600円かそこらであり、日本酒はグラスに並々注いでくれて880円。焼酎も豊富で、当店のPB品のワインなども用意されていました。
お通しが土瓶蒸し。具材は松茸にハモと気前の良いラインナップです。秋の風味がたっぷりと詰まった清らかなスープに目尻が下がります。
ところで先日、テレ朝からイミフな依頼が来たのでツイッターでアンケートを取ってみると、思いのほか土瓶蒸しの食べ方を知らない、ひいては土瓶蒸しそのものを知らない人が多く驚きを禁じ得ません。
お造りは天然のタイにシマアジをお願いしました。「おひとりなので、半分づつでいきましょか?」と優しい大将。いずれも全身が筋肉ではないかと思うほど弾力豊かであり、ムチっムチっと天真爛漫な美味しさです。
かもなす田楽。丸々と太ったお茄子が実にジューシー。味噌は2種類塗布されており、日本酒の消費を加速させる味わいです。
レタス炒め。その名の通りレタスを炒めただけなのですが驚くべき美味しさです。シャッキリとした歯ざわりを残しつつ、コクのある調味で攻めてくる。センスに溢れたひと皿です。
焼き物はイワシをお願いしました。脂の甘味と内臓の苦みが同居し大人の味わいです。お酒が進むのなんのって。
牛カツ文化の根強い京都に敬意を表し、「ビーフカツ」をフルサイズで注文。赤身中心のキレイな牛肉が細やかな衣でサラりと揚がっています。付け合わせのポテサラやオニオンも見逃せない美味しさです。
「ひとりやのに、よう食べはるねえ、ごはん、いる?」とのことで、ゴハンもお出し頂けました。結果的に〆のお食事が牛カツ定食という運びとなり流石に満腹。ごちそうさまでした。
たらふく食べ、また、そこそこ飲んだにも関わらず、お会計は1万円を切りました。ぶっとびー。

ミナミの「島之内 一陽(しまのうち いちよう)」に似た食後感で、好きなものを好きなだけ食べてこの支払金額は奇跡としか言いようがありません。お店の方も皆やさしく、ここが私のアナザースカイと評しても過言はないでしょう。オススメです。

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