ラ ベデュータ (La Veduta)/本町(大阪)

「セントレジス大阪(The St. Regis Osaka)」のメインダイニング「ラ ベデュータ (La Veduta)」。ディナータイムは客単価数万円の高級店ですが、午前中は朝食会場として活用されています。
天井は高く余裕のある空間設計なのですが、客席数は50弱ほどであり、宿泊客の朝食をカバーするには心許ない。我々は9時と遅めの時間のお邪魔したにも関わらずしばらくロビーで待つ必要があり、このクラスのホテルとしてはお粗末な運用です。
最初の一杯は折角なので大阪名物「ミックスジュース」を注文。なるほど大阪のミックスジュースとしては目を瞠るクオリティですが、ラグジュアリーホテルのジュースとしては甘味が強く飽きの来る味わいです。
朝食は洋風か和風を選ぶことができ、私は洋風をチョイス。しかしながらビジネスホテルのビュッフェを小綺麗に盛り付けだけのような代物でありテンサゲです。不味くはありませんが美味しくもない、実に普通な朝食です。
卵料理はオムレツなど数種類から選ぶことができ、私は「アスターベネディクト」を注文。ちなみに「アスター」とはセントレジスの創業者の名前であり、なるほど名前を冠しているだけであって朝食時に口にした料理の中ではレベルが高い。とりわけ濃厚な黄身の風味がお気に入りです。
連れは「和朝食」。先付として見るからに美味しそうな豆腐とナスが登場し嫉妬してしまいます。
しかしながらメインのプレートは大戸屋の定食以下の見栄えであり、このホテル大丈夫かいなと心配になりました。同格のホテルであるパークハイアットの朝食とは次元の異なるレベルの低さです。
一通りの食事を済ませると、込み料金で追加の料理もオーダーすることができます。
私は「本日のスープ」を注文。やってきたのはオニオンスープであり、これまでの朝食は何だったんだと思わせる美味しさです。ビストロで食べれば2千円近くは請求されそうなクオリティであり、セントレジスの懐の深さを垣間見ました。
連れは女子力を発揮して「リコッタパンケーキ」を追加注文。見た目はスフレの規模を大きくした外観で美味しそうなのですが、全くリコッタチーズ感はなく、何ならアイホップのパンケーキと変わらない味覚です。
この、料理によってレベルが全く変わる感じは何なんだろう。ニセコのリッツみたいに何食べても全部不味いならまだ理解できますが、オニオンスープのように光る料理もあれば謎のシャケ弁のようなヘッポコプレートもあったりと味覚にバラつきがあるのが解せない。これでひとりあたり5,000円(税サは別?よくわからん)というのはやりおったなという印象です。

上級会員で無料で朝食が付いて来るのであれば悪くないですが、平会員がお金を払って楽しむにしてはちょっとアレかなと感じた朝食でした。おはようございました。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。