セントレジス大阪(The St. Regis Osaka)/本町

マリオット系のホテルでは最高級に位置する「セントレジス(The St. Regis)」。もともとは1904年にニューヨークで創業したホテルであり、日本では唯一大阪にだけあります。場所は本町で、地下鉄御堂筋線から直結とアクセス至便。新大阪駅からでもタクシーで15分ほどです。
商業ビルの11階以上が当ホテルであり、ロビーに通りすがりのオバサンみたいなのが居ないのが良いですね。客室数は160数と小さいホテルであり、座ってゆったりとチェックインすることができます。
我々は「グランドデラックスプレミアルーム」にご案内頂けました。いわゆる角部屋であり採光が最高です。内装や家具に落ち着きがあり、旅行でバーンとラグジュアリーに楽しむというよりは、グローバル企業のエグゼクティブが出張で泊まるのに向いた設計でしょう。
広さは恐らく50平米弱であり、土足で入るには気が引けるほど立派な絨毯が全面に敷かれています。ゆったりとしたコーナーソファにライティングデスク、ボタン一つで開閉できるカーテンなど設備としては文句のつけようがありません。
ミニバーは抜群の収納力を誇り、よくもまあこれだけ詰め込んだなと感心します。ネスプレッソやティーバッグのお茶は無料ですが、その他の飲料は非人道的な価格設定でした。
ウォークインクローゼットも使い勝手が良く、やはりビジネス客の長期滞在を意図して設計されている印象です。
ところで玄関脇に謎の小窓があり、この空間は何に使うのだろうと悩んでいると、ベッド脇のコントロールパネルに「バトラーボックスにお届け物アリ」的なランプがあり、なるほど部屋ごとの宅配ボックス的な用途なのですね。

試しに朝のドンクサービス(無料)を「バトラーボックスに置いておいてください」とお願いすると、確かにバトラーボックスに配達されました。アマゾンの置き配的であり刑務所の食事的でもありますが、もうメイク落としちゃったし誰とも会いたくないわみたいなシチュエーションに活きるかもしれません。
ちなみにこの「セントレジス バトラーサービス」、私は全く使いこなせませんでした(画像はセントレジス公式ウェブサイトより)。スーツのアイロンがけをしてくれるって言ってもスーツ着てないし、荷解き&荷造りサービスがあると言われても自分の荷物触られたくないし…。やはり当館のターゲットはグローバル企業の出張族のような気がします。仕事で長期滞在するのであれば、それらの執事サービスは活きてくるでしょう。
ウェットエリアに参ります。真っ先に目に飛び込むのは窓に面したバスタブであり防水テレビまで完備されています。夜景はもちろん大阪随一。
ところでバスタブのほかシャワーブースも用意されているのですが、シャワーで身体を洗った後バスタブに移動するまでに床をビッタビタにしてしまうおそれがあり、かといってシャワーの後に身体を拭いてから再びバスタブに浸かるのも納得がいかない。一体、正解はどこにあるのだ。
トイレは独立型と見せかけてドアの上部と下部に隙間があり、またドアも不透明なガラスで使用者のシルエットは判別できる仕様であり、なぜこんな中途半端な仕様にしたのか小一時間問い詰めたい気分です。
バスアメニティは「BYREDO LE CHEMIN」であり、ベイシンの石鹸は「LE LABO」、ボディクリームは「REMEDE」と、とりとめのないラインナップです。資本関係が連なってるとかそんな理由なのかもしれません。
共用設備に参ります。といってもフィットネスセンターぐらいしかなく、プールもクラブラウンジも存在しません。必要にして充分な設備ではありますが、ホテルステイのみを目的とするにはコンテンツ不足な気がしました。
朝食は12階のメインダイニング「ラ ベデュータ (La Veduta)」で。詳細は別記事にて
素晴らしい滞在先であるのは間違いありませんが、なかなか一般の方には使いこなし辛いホテルに感じました。再三記している通り旅行者がホテルステイそのものを楽しむにはコンテンツ不足であり、そのわりにめちゃんこ高い。「ハイアットセントリック」とハード面はそう変わらないというのに。

そういう意味ではハイパー・ラグジュアリー・ビジネスホテルであり、自腹で泊まるには納得感に乏しい気がしました。海外からの出張者のために会社の経費で予約を入れ、ついでに自分もアテンドの都合で泊まります作戦でいきましょう。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。