廻転寿し 西海丸(さいかいまる)/志賀町(石川)

能登半島の西側、志賀町にある「廻転寿し 西海丸(さいかいまる)」。目の前が漁港であり、私の知る限り世界で最も海に近い回転寿司屋です。網元直営であり、その日に獲れた魚介をそのまま出すというコンセプトが耳目を集めました。
店内はカウンター席にボックスシート、お座敷で、トータルでは50席ほどでしょうか。青く広がる海を目の前にして、否が応でも気持ちが高まります。しかしながら従業員のテンションは低く、私の知る限り世界で最も静かな回転寿司屋かもしれません。もちろん他の回転寿司屋のテンションが過剰に高いという意見もあります。
ところで当店は「廻転寿し」と銘打ってはいますが、寿司が回っていないどころかベルトコンベアの稼働すら停止しています。タブレットから好きなものを選んで注文すると手渡しで持って来てくれるという独特の形態です。
「店長おすすめ」の生サバ。サバを生のままで食べるのは珍しく、期待を裏切らない美味しさです。ちなみに米や酢、醤油なども全て能登半島産であり、私の知る限り世界で最も地産地消に対して意識の高いお店です。
マグロやウニ、イクラなどの高級食材はスルーして、地魚を集中的に攻めていきます。マダイ、ヒラメ、アジ、アカイカのゲソ、カワハギ、フクラギ、ガンド(ブリの若魚)、カンパチ。「加賀屋別邸 松乃碧」で朝食を食べて来たばかりだと言うのによく食べました。
あら汁が凄い。確か200円かそこらなのに、その辺の煮魚定食級に可食部があって、すっかり満腹になりました。
10皿ほど食べてお会計は3千円弱。回転寿司としてはやや高めですが、クオリティを考えればリーズナブルと言えるでしょう。一方で、コンセプトは面白いものの遠くからわざわざ来るほどかというと微妙なラインです。ネット上の口コミで絶賛している方を散見しますが、それを秘境増しと呼ぶ。能登旅行の際に「世界一長いベンチ」とセットで訪れると良いでしょう。

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「大人絶景旅」と銘打ってはいますが、石川の名所をテンポ良くまとめています。グルメ情報も多くモデルルートの提案もあり、広告だらけのガイドブックとは一線を画す品質の高さです。