ラヴァーグ(La Vague)/泉崎(那覇)

泉崎は那覇高校の斜向かいにあるフレンチ「ラヴァーグ(La Vague)」。カレーの名店「ゴカルナ(Gokarna)」の並び。もともとは「ビストロバルNalu」という店名でしたがリブランドしました。
カウンターが4-5席にテーブルが2卓の小さなお店。飄々とした雰囲気のシェフがしなやかにワンオペをこなします。店内にはサーフィングッズが多く、そこから店名(日本語で「波」)が由来しているのかしら。
ビールやグラスワインは千円を切る価格設定で、気持ちよく酔っぱらうことができます。こちらはアルザスのスパークリングワインで、200ミリリットルと丁度良い飲みきりサイズ。飛行機の中で活躍しそう。
旬の食材を中心に取り扱うアラカルトのお店。まずはツマミにと「焼き茶豆チーズ」を注文。おなじみの食材が途端にお洒落になりました。
「泉州水茄子と島だこのサラダ」は800円。その名の通り水茄子と島だこがゴロゴロと放り込まれており、ツマミとしても充分に活躍できます。葉の苦みが大人の美味しさ。
桃のカペリーニを冷製で。この桃は美味しいですねえ。ただ甘いだけでなく奥行きのある味覚であり、そのままでもちろん生ハムの塩気に当てて絶品です。量もケチケチしておらず、四捨五入すると桃とも言えるひと皿です。
「カラスミのレモンバター スパゲティーニ」。こちらはシンプルな調理および調味ですが、バターの厚みのあるコクとレモンの爽やかさがハーモニーを奏でます。カラスミの厚みのある旨味も心地よいアクセント。
せっかくなので沖縄らしい食材をと「金アグー豚肩ロースの炭火焼きしらすとアーサのソース」を注文。この肉料理が大当たりで、スモーキーな香りと複雑な旨味を湛えた豚肉が実に旨い。しらすとアーサのソースも和風の味わいであり、何とも深長な美味しさです。
胃袋に少し余裕があったので「県産マンゴーソテー 山原鶏白レバーのアイス 香辛料香るフレンチトースト」を追加オーダー。焼けて凝縮感を増したマンゴーの甘味にレバーのひんやりとした手触り、それらのエキスを吸い込んだトーストと、享楽的なセンスを感じるひと皿でした。
以上を食べ、そこそこ飲んでお会計はひとりあたり8千円程。シェフの色気のある自由奔放な料理を腹いっぱい食べてこの支払金額は実にお値打ち。東京にある新進気鋭のネオビストロと同等かそれ以上の可能性を感じました。

観光客には馴染みのないエリアではありますが、それでも国際通りから歩いて10分ほど。長めに那覇に滞在するのであれば、一度は挟んでみても後悔は絶対にしないお店です。オススメ!

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