寿司割烹あや/新大工町(長崎市)

長崎は新大工町エリアの外れ、人気焼肉店「七輪亭」少し手前の川沿いにある「寿司割烹あや」。ネット上に口コミはありませんがミシュランでは堂々の1ツ星です。
カウンター6-7席ほどの小さな店内。ツケ場と客席の間や、客のグループ間にはアクリルボードが配されており今風です。

大将は大阪の割烹料理店で日本料理を学び、続いて博多で鮨に係る技術を身に着けたそうで、ツマミ多めなスタイルです。
ドリンクメニューは無いとのことで、お酒の価格は一切不明。そういえばコース料理の代金も一切不明で、総支払金額から逆算するのも難しいというミステリアスな価格設定でした。
まずはワタリガニ。え?ワタリガニ?あのトマトクリームパスタとかで使うやつ?なるほどそれなりに美味しいですが、こういったお店のツマミではズワイガニや毛ガニが主流であることを考えると、意図が良くわからないひと皿です。
蒸しアワビは王道の美味しさ。ムチっとした食感で酒を呼ぶ深みがあります。
お造りはオコゼにヒラマサに本マグロ。マグロは「やま幸」から取っているそうで、長崎の無名の鮨屋ながら意外にミーハーなのかもしれません。
茶碗蒸しはシンプルに梅を配し、素朴な美味しさです。
アナゴ。ポーションが小さく味わいを吟味することができませんでした。
オコゼのから揚げ。熱が入ることにより甘味が増し、お造りで食べた時よりもリアルな味わいです。
にぎりに入ります。なのですが、先のから揚げから謎に20分のインターバルがありTBS。ツケ場と厨房の連携が上手くいっていないのかもしれません。また、さんざん待たされた挙句出された軍艦が親指サイズで驚くほど小さい。そして何故、先頭打者がウニなんだ。色々と困惑した幕開けです。
タイ。よくもまあこんなに小さく切りつけたなあと感心するほどのサイズ感。きっと大将は手先がとても器用なのでしょう。
ガリは甘味と酸味が強く壮大な味わいです。ちなみに私はガリが好きで鮨屋では3-4回おかわり(?)するのが常なのですが、当店は無くなっても差し替えてくれませんでした。きっと希少な個体を使用しているのでしょう。
キスのサイズもやはり小さく、天ぷら屋ではありますが麻布十番「たきや」のキスの10分の1ほどの大きさです。
大トロですが大きさは小トロであり、筋も多くイマイチです。連れの顔は悲しみに歪んでいる。こんなことなら大トロなんか抜きにして、千円か2千円を値引いて欲しいところです。
アオリイカは歯ごたえがありつつもクリアな味覚で結構美味しい。ただしやはりにぎりの小ささは変わらずであり、大トロの次に出すという順序性もよくわからん。
エビは特段大きなサイズではありませんが、包丁でふたつにカットされており、やはりこのひと口の小ささは意図したものなのでしょう。
お椀は白味噌主体でクリーミー。私の好きなタイプです。
アジ。この日いちばんの小さなにぎりであり、私の右手の小指ほどのサイズ感です。順序性も謎。
ヅケは王道の旨さであり、美味しいだけにもっと量を食べたかった。
アナゴにつき、ツマミの際は「ポーションが小さく味わいを吟味することができませんでした」と記しており、にぎりではそれなりの大きさで、結果、あまり美味しくありませんでした。
ネギトロ(?)は中々の味わいであり、やはり今日はマグロが良かったと思う。ただし小トロを除く。
玉子は長崎らしくカステラスタイルで甘めの仕上がりです。
スイカはびっくりするほど美味しくないですね。ビジネスホテルの朝食クラスのクオリティであり、であれば出さないほうがまだマシのような気がします。きちんと味見した上で提供したのかどうかを大将に問いたい。

以上を食べ、ほんの軽く飲んでひとりあたり2万円。体感よりは2-3割は高い印象で、にぎりの小ささを考えれば非常に割高に感じました。もちろんにぎりの大きい小さいは好みの問題であり、私は「猪股(いのまた)」のような大きめのにぎりを好むため、このような感想を持っただけかもしれません。口の小さい小食の方はどうぞ。

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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。